新・釣具の知識 その2
「チタン」って何?

まとめ 編集部/武富純一

 近頃、高級ロッドやリールのパーツ素材に“チタン”をアピールしたものが目につくようになった。このチタンという金属、一体どんな金属なのだろうか?
 手元の辞書をひくと、「ドイツ語でTitan、元素記号Ti、原始番号は22。酸化チタンとして地核中に分布。純粋なものは銀白色で延性、展性に富み、腐食に耐える。工業上重要」とあった。これではちょっとわかりにくいですね。もう少し砕いて言うと、比重は鉄とアルミニウムの中間程度なのに強度は鉄の約2倍、アルミニウムの約6倍もある金属で「軽い」「強い」「錆びない」という特性から宇宙ロケットやジェット機、軍用機などのハイテク機器に多く使われている。これまでは価格がステンレスの十倍前後もしたが、冷戦が終わって武器用の需用が減ったために、かなり割高感が薄れているという。

 こうした特性は、素材に軽さと強度を求める釣具には最適ということで、釣具メーカー各社が注目したのは当然だろう。各社とも上クラスのロッドのガイドフレームやリール、リールシートの素材に、さかんにチタンをアピールしている。
 ところで、ガイド、リールシートといえば有名なのが富士工業(株)。両者とも国内外を問わず、ほとんどが冨士工業製で占められていると言ってよい。
 同社PRデザイン室の松田さんにおうかがいしたところ、チタンが素材として製品に使われだしたのは1986年からということ。純チタンに独自の加工を施し、元の4倍の強度にして製品化しているという。
 現在、冨士工業のチタン素材のアイテムはざっと14種。もっぱら高級クラスのロッドのガイドフレームやリールシートだ。他の素材、例えばステンレスと比べると、軽さはステンレスより4割軽く、引っ張り強度はステンの約3倍もの強さ。ただし、ロウ付けと呼ばれる溶接加工が難しいのと、硬いために特別の金型を要するのが難点だそうだ。
この他、チタンはリールやゴルフクラブ、眼鏡フレーム、アウトドア用品にもよく使われている。 また、皮膚に触れても金属アレルギーを起こさないということで、腕時計や装身具、医療器具と用途も幅広い。
 日本チタン協会によると、93年のチタン生産量は7600トン、このうち国内で使われるのは半分以下の3200トン。ほとんどは化学プラントや航空機など工業用で、民生品向けは全体の11%、363トンしかない。
しかし、工業用が減っている中、民生品用はここ5年ほど毎年7〜8%ずつ伸びているという。ユーザーとしては比較的安いクラスの竿やリールにもドンドン使ってほしいものだが……。
 ところであなたのロッドにチタン、使われてますか?