月刊つりのとも


だんじり祭の謎 98/11月号



 20年近く、岸和田へ通っていて不思議に思っていたことがあります。夏からの釣れない季節が、だんじり祭りを境に「釣れる」秋の海に変っていくのです。それも、見事な程、コロッと変ります。

 だんじりが 夏から秋へ 衣替え  心酔

 丁度9月15日位が秋の始まりと思い込んでいたのですが、今、その真実が明かにされようとしています。
 今年も、先月号にも書いた如く、8月一杯釣れない日が続き、9月例会は坊主の山と覚悟していました。反面、罰金をあてにしていたのですが。
 9月13日、例会は、13人の出席を数え「10人位は………?」と、獲らぬ狸の皮算用をしていましたが、何と7人も入賞魚を釣って帰ってきましたので、私の目算は、全て狂ってしまい、あげくに私の釣った45cmでも入賞できず、何もかもうまく行きませんでした。
 今回の例会では、優勝はともかく、2位狙いで確実に得点をかせごうと思っていましたので、45cmで何とかなるはずでした。あれほど釣れてなかったのに、土曜日から良くなってきて、奈良組(奈良から通ってくるグループ)のメンバーが一人で6匹も釣ったそうです。
 その情報を元に、沖の波止を目指した7人全員がハネを釣って帰ったのです。いや待てよ?8人行ったかな?そうそう、一人釣れなかった者もおりました(ナイショ)

 情報が 釣れる釣れない 分れ道 腕を信じて エビを頼りに  心酔

 この時点でも、釣れる季節が、やってきたと信じていました。よし、この感じなら大物もと、9月15日(だんじり祭りの当日)心急くまま、飛んでいきましたが、またまた、やってしまったのです!トランクをあけ、エピクーラー、クーラーバック、竿、「ん?」「あの丸い物が…」「二つあるはずの丸い物が?」私が首をひねっているのを見た会友が「どうしたんですか?」と声をかけてきました。(声をかけて欲しなかった!)
「おかしいなあ、この間出てきたあの丸い物が見当らないの」
「えーツ、また忘れてきたんですか!」
そうです!忘れないように55cmのワンピースにしているタモ枠を、洗って干したまま忘れてしまったのです。

 少しずつ 違う世界に にじりより  心酔

 恥をかきながらも、そこら中に声をかけ、ボロボロのタモを貸してもらい、沖三番内海へ向かいました。もう釣れるものと決めてかかっていますので、余裕があります、辛抱ができます。
 暗い内に、タチウオに針を三本食われました。その後は、アジがおちょくります、そしてハゲが!フグが!『もうじき、もうじき』心に言い聞かせて、8時半までかかって、ハネ45cm、42cm、チヌ35cm、小さいイトヒキアジ、マアジ少々と釣り、意気揚々と帰ってきました。
 船着き場での船長との会話。
「どうでした?」
「ええ、そこそこ釣れだしました」
「そらそうやろ、漁師も祭りで、たたき網漁を休んでるさかいな」
「何ですって?漁をしないから釣れたんですか、すると、釣れなくなる程、えげつない漁をしていたんですか」絶句……。
 祇園祭りを目指し、スズキ漁が盛んになり、その後も夏場の魚の少い時を稼ぐために、漁師さんも必死だったのですね。だんじり祭り以降はアジ、タチウオ、ツバス、ハマチと他の魚が獲れるようになりますので、たたき網漁が少くなって、スズキが釣れるようになってくるのでした。たたき網漁か季節の変化か?その真実は………。

 だんじりが 守る貴方の 釣果かな

 だんじりに 他魚も勇んで ハネ踊る

 だんじりを 見る目も変る 今年から
 感謝をこめて ソーリャソーリャ   心酔

(東大阪市在住)