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釣技の巻 磯釣りの技術向上は目覚ましく多忙で磯からしばらく遠ざかろうものなら新たな釣技に出会ってまごついてしまいます。 これらは雑誌やテレビなどマスコミを通じて学ぶものと思われますが、全国どこにいっても同じ釣法に出くわしたりして、メディアの影響力のすごさには恐れ入ります。 一つの技に自信を持って使いこなすには、器用な釣人でも最低2〜3年を要するでしょう。 流行の移り変わりは性急なので、かろうじて修得してもすぐに過去の釣技に成り下がってしまいます。つけ焼刃で流行を追うとすべてが中途半端なままに終わる可能性すらあります。 釣人の欲望は「紺碧の海に真っ赤なウキが糸を引くように沈んでいく」のを、見届けながらアワセをすることから始まるのです。 これがウキ釣りの醍醐味と言っても過言ではないのですが、最近では大多数の人がウキを沈めるかそれに近い状態で釣っています。 これらはウキを眺めるという、釣り本来のおもしろさと引き替えに魚を釣っているようで、本来の楽しさも半減してしまいます。それでも魚が釣れないよりはましと割り切っているのでしょう。 それではそれらの釣技の一例を解説してみましょう。 沈め釣りウキ自体を沈めて水中の流れに乗せ魚のタナにサシエを届ける釣法です。魚のタナが解らずサシエが残ってくるような場合に試してみてください。 マキエと仕掛はある程度一致させやすく、ウキもマイナス浮力のウキを使うので魚の食い込みがよくなる傾向にあります。 水面上に浮いているウキでは浮力が強すぎて食いがよくないので、仕方なくウキを沈める、と言う人もたくさんいます。また、流行の先端を行く技術なので取り合えず真似てみようとこの釣法をやり始める人もあります。 ところが、大勢が並ぶ釣座で一斉にみんながウキを沈めてしまうと、他人のウキを探すのに苦労します。 やみくもにウキを入れようものなら他人と交差して仕掛がもつれます。どこに自分のウキを入れていいのか見当も付かずウロウロしてしまうことも度々です。 魚にしても目の前を派手なウキが、何個も沈んでいくのでさぞかし驚くことでしょう。そのため魚が警戒しタナは次第に深くなる傾向があります。 沖でワキグレの群を見付けるとそれに向かってウキを投げ入れます。するとグレはウキの着水音に驚き、水しぶを上げ一挙に沈んで少し離れたところへ移動します。 ならば、と潮上にウキを入れ静かに流し付けます。大抵の場合、ウキが群の先頭集団に近付くとやはりぐれは沈んで別の場所に移動するか、群は二つに分かれウキを避けて通ります。本質的にグレは異物である派手な色をしたウキを恐がります。仲間が何度も釣られて学習しているせいかも知れません。 これが色の黒いウキや泡のように白いウキなら、ゴミか泡としか認識していないのでしょう。ウキが群の中に溶け込んでグレも平気で食ってきます。 このように水面に漂うウキでもグレは色によって識別し避けて通ります。現在販売されている沈め釣りのウキはすべてといっていいほど、水面に浮かべるウキと同一です。 なぜ「水面に漂うウキ」と「水面下へ沈むウキ」の使い分けをはっきり区別しないのでしょうか?(安価な黒檀潜水ウキには色の黒い製品もたくさんあります。これを使ってはどうでしょうか) 仕掛に沈むウキをセットして投げ入れたとしましょう。当然ウキは水中に沈みますが沈む速度が速すぎるとハリを追越して沈むかもしれません。 これでは道糸とハリスが接近したりもつれるので食ってきません。また、たまたま食ってきてもウキの重みを感じてハリを離してしまいます。 沈め釣りでもウキが沈んで行く途中で、何度も止めたり引き戻す必要があります。これが水中での張りになります。こうすることで仕掛を一直線にするのです。 沈める速度はウキが見えないので勘に頼ることになりますが、この速度を知るにはマキエを撒きその横にウキを入れてみます。マキエとウキが同じぐらいの速度で沈んでいけば問題はないでしょう。 ここで道糸を送るタイミングが問題になってきます。竿先か手元の道糸が張り始めたらその分だけ糸を送ればいいでしょう。 スルスル釣り ウキ自体は水面に浮いていますが、ウキ止めがないので、オモリの重さでハリは沈んでいきます。沖の潮目などマキエが溜まっていると思われる場所で使ってください。 魚がハリをくわえても抵抗が少ないので、魚の食い込みがよい釣法です。アタリは魚がハリを食って、スピードを付けて走るとウキ止めがなくてもウキは沈みます。 ところがハリがどこまで沈んでいるか、釣りをしている本人自体勘に頼るしか方法はありません。一匹の魚が釣れても二度とそのタナへサシエが届かないかも知れません。 サシエが残ったりアタリがないとやみくもにハリを沈めようと余分に道糸を送ります。その結果ハリが底へ掛かってしまい、ウキだけが沖へ流れだします。 「アタリだ」と思って、竿を煽りリールのハンドルを回すとハリが足元で底掛かりしています。よくあることなので一人で苦笑してしまいます。 緩やかな流れなのに使用しているオモリが重すぎるか、道糸を必要以上に送り過ぎたためでしょう。 ここでも時々道糸を止めたり引き戻すことで、湾曲していた仕掛は一直線に近くなります。また、ウキ下も微妙に変化するのでほど良い誘いにもなるのです。 ゼロスルスル釣り 浮力ゼロのウキで仕掛にオモリを付けずに釣ります。ウキ止めも付けません。仕掛はハリス、ハリ、エサの重みだけで静かに沈みます。魚のアタリが極端に小さい場合に使うと効果が上がるでしょう。 マキエを撒きその上に仕掛を入れると、マキエとサシエは同程度の速さで沈みます。魚がハリをくわえても抵抗がほとんど掛からないので、食い込みは抜群によくなります。 ところが、潮流が速いとオモリがないので仕掛にかかる抵抗でハリが吹き上がって水面に漂い沈みません。またタナが深いとオモリなしですからそこまで仕掛を沈めることが非常に困難になります。 道糸を出しすぎていると風や波の抵抗で大きく湾曲します。それが原因となって道糸がウキを引っ張り流れから外れてしまいます。 折角、サシエとマキエを合わせたつもりでも役に立ちません。この釣りでは道糸を微妙にコントロールすることが必要でしょう。 前述の釣法は魚の「タナが推理出来ない」「食い込みがよくない」ような場合に使ってください。タナがわかれば固定仕掛や遊動仕掛が能率的です。それに面白みもそこないません。 難解な技術を使う場合にも、基本技術である「張り」や「誘い」を忘れないでください。(徳島市在住) |
