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兵庫県東二見と香住の釣り 98/10月号
●南村健治
読者のみなさま、ごめんなさい。 いきなりですが、大漁でした。 もう、ほんとうに、大漁でした。 こんなことがあってよいのかと思うぐらい、大漁でありました。 東二見ではマダコ、ベラ。 香住ではチダイにマダイ。 そして、なんとヒラマサなんかがタイヘンに釣れちゃったのです。 では、うれしはずかし、大漁のお話。 まずは、東二見のマダコとベラ。 東二見あたりでマダコが釣れてるらしい。 新聞の釣況欄には思いもよらない数字がのっております。 「マダコ188匹」 田中さんが言います。 「そんなぎょうさんいらんで」 和田さんが言います。 「確かめに行きまへんか」 南村が言います。 「タコ飯、うまそうやな」と、相談がまとまりまして。 半信半疑。 8月1日、東二見へと行ってまいりました。 早朝五時。 東二見港を出て20分。 ポイントに近づくにつれて。 あれよ。 あれよ。 船が集まっています。みんなタコ釣り。 仕掛はテンヤ。赤や黄のビニールが巻きつけられていて、それを投げるのです。船べりから。20mほど。 船頭はいかにもカンタンにポイッ。ポイッ。と、投げ込んでゆきますのヨ。 和田さんが。ポイッ。10m。 田中さんが。ポイッ。15m。 「うん、そんなもんや」船頭がほめて。 南村だって。ポイッ。いえ。ポトッ。 「あんた、あかんな」「ヘタやわ」 船頭にいわれてしまいました。 でも、気が付けば僕はギッチョ。 船頭の見真似で右手で投げ込んでいたのです。 タコがテンヤに抱きつくと、たるんでいたナイロン糸がわずかに張るらしい。わずかに、でっせ。 「それ、タコ掛かってる」 「こっちもや」 船頭にいわれるままに。あれや。これや。 糸をたぐり寄せて。ズシリと重い。 タコや。タコや。 タコが掛かっているのです。 もちろんこれはこれで嬉しいのですが、実はあまり嬉しくない。船頭より先に見極めなおもろないのです。 5回に4回、スカ。5回に3回、スカ。 3回に1回、アタリ。3回に2回、アタリ。 船頭にほめられました。 「アンタら、タダもんやないな」 そうです、僕らはタダもんではないのです。 世紀のタコ釣り師なのです。 ですから、あれよあれよと、タコが釣れ盛り。 「もう、タコいらん」と、いうことになりまして。 次はベラ。 もちろんベラ釣りもタダもんではありませんでした。 船頭が目を見張るほどに釣りあげたのですが、ここであれこれ書きつづけると、香住のチダイ、ヒラマサのことが書けなくなります。 で、突然に、8月14日。僕らは香住の沖にいます。メンバーは田中、和田、南村、薬師寺の4人。 いま、船頭がイカリを入れたところです。 「潮が速いな」 「オモリは80号にして、やってみて」 水深は70m。 スルスル、スルスル。 糸が出ていって。110mでわずかに着底。 すぐに、オモリが浮いて。 ふたたび、わずかに着底。 ゴツン。チダイかな。 リールを巻いて。重い、重い。 ときどき、竿先がコクンコクン。 おじぎをして。 「なんか、釣れてるみたい」てな、感じ。 それでも、チダイが二匹、三匹、釣れてくると。 4人がニコニコと仕掛を入れて。 ドンドンとマキエサをして。 チダイが、ゴツン、ゴツン。 釣れつづくのです。 もっとも、ここの船頭は、 「アンタら、タダもんやない」とは言いません。 すでに知っておるのです。 僕らが何者かはよく知っておるのです。 大きなマダイが釣れたって。 丸々としたヒラマサが釣れたって。あたりまえ!! こんな好機をウロウロと見逃すほど……。 えッ。なんです。 たまに釣れたからいうて、大きな顔をするな、いうんですか。いえ、いえ。あ〜た。 こんな時こそ、大きな顔をさせて下さい。 それにしても、それにしてもとても大漁で。 読者のみなさま、ごめんなさい。 ■問い合わせ 東二見・近藤丸 TEL.078・942・4506 香住・なぎさ丸 TEL.0796・36・3576 (俳人・阪神沖釣クラブ)
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