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淡路・沼島沖のイシダイ 99/3月号
●南村健治
1月24日、午後3時30分。 いま、魚釣りから帰ってきました。 少し、風邪ぎみやったのですが、無理をして沼島まで行ってきたのです。 イシダイを狙いに。 24日の午前3時に大阪を出て。 約12時間。 雨に叩かれ。 風邪に吹かれ。 波にゆられて。 ほんとうに。いま。 家に帰って。 何をするのも惜しんで。 これを書いておるのです。 まだ頭がボンヤリしているのですが、そんなことはいっておれんのです。 早くしないとダメなのです。 明日には「釣の友社」へ原稿が届いていないとあかんのです。いつもなら、釣りから帰るとね。 まず、クーラーを開けて、魚をみます。 しげしげと。うんうんとかいいながら。 妻に見せて。 「なッ」とかいいながら。 もう一度。キラキラと魚を見やるのです。 チョッとつついたりなんかもします。 ガシラやったらまだ動いている時があります。 ピクピク。 ヒクヒク。 エラを動かしたりしている時があります。 今日は、イシダイ。 燦然とイシダイなのです。 一匹だけやけど。クーラーに入っています。 どんな様子なのか。 しっかりしているのか。 ぼんやりと横たわっているのか。 まだみていないのでよくわかりません。 妻もいません。 で、その次の行動。 いつもなら、リュックの整理をします。 冬は荷物が多い。 まず、防寒着を放り出して、塩気を拭き取ります。 濡れタオルで、防寒着の全身を、サッサカ、サッサカ、拭き取ります。 ポケットのなかのホッカイロなんかを取り出して。 「うわ、まだ熱い」とか、いいながら妻に握らせます。 今日は、雨だったのでカッパも拭かなくてはなりません。 サッサカ。サッサカ。 塩気を取って。干しておきます。 次は、リールを洗います。 僕は丸洗い派。水道の蛇口で。 ジャバジャバジャバジャバジャバ。 もう一度。ジャバジャバジャバジャバジャバ。 バスタオルでくるんで。 洗濯機の脱水槽に入れます。 うちの洗濯機は旧型の二槽式。脱水タイマーを合わして。 約3分間、回すのです。 3分経ちました。 水気が吹っ飛んで。 要所要所に油を差して。完了。 次は、竿。 これがやっかい。 そう。竿のガイドが消えてから、手入れに時間がかかるようになりました。 いままでならマンションの屋上の水道で外側だけを水洗いして、終り。 やったのです。 しかし、最近はちがいます。 竿の内側にも気を配らないとダメなのです。 竿ごとぬるま湯に浸ける。 そんな方法もあるようですが。 うちには風呂がありません。 銭湯にて。 と、いう強行手段も考えられなくないのですが、そうするといろいろ質問されます。 「魚釣り?」 「どこ、行ってきたん」 「釣れた?」 「何匹?」 「大きいの……」 「ふ〜ん」 「寒いのに」 「ごくろうさん」と、そんなふうになるに決まっています。なんせ、釣り竿を持っているのですから、隠し通すことができません。 いちいち。「エエ」「まあ、そこそこに」 「ウフフフフ」「あきませんワ」「鼻水が出てね……」 と、返事を返さなくてはなりません。 だいたい僕は世間話が苦手なのです。 いつも、あらぬ返事をして。 相手も、僕も、途方に暮れてしまうのです。 だから、今日も、屋上で水洗い。 チョロチョロと内側に水を通して。 不十分ながら、完了。 次は、仕掛類。 これらは、適当に。 ポイッ。ポイッ。と、無造作に。 その辺にちらかすでもなく。 整理するでもなく置いておきます。 最後に、カメラ。 フィルムが残っていても、カラ写しをして。 全部つかいきります。 駅前のヒグチカラーにて現像。 出来あがった写真を見ながら。 おもむろに、机に向かって、これを書く。 と、いうのがいつものパターン。 今回は、先にいうたように、まだ何の作業もしていません。 気があせるだけで。 頭はポーッとしたまま。 雨に叩かれたこと。 風に吹かれたこと。 波にゆられたこと。 そんなことだけが頭のなかをクルクル。 クルクル。回っております。 早く原稿を書かなくては…。 ■問い合わせ 沼島・勇清丸 TEL.0799・57・0047 (俳人・阪神沖釣クラブ)
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