月刊つりのとも'97年4月号より



村田 満「竿運快釣」-9-
水中糸はフロロです



 今年は急激な環境変化が多くなる傾向で、変化に追いつけず、釣方がつかめないあなたは連続ボウズになる可能性が高まります…。
 平成9年は、琵琶湖産アユまずまず、海産アユダメ、人工産アユ豊産といわれております。
 平成9年の主役となるのは、おそらく「人工産アユ」でしょう。
 この人工産アユは、池で育っていますから、泳ぎはすこぶるつきの下手クソです。
 何よりの扱いづらさは、オトリにするのにハナカンを通したら動かなくなることです。
 人工産アユの泳がないオトリに昨シーズンは、最初から困り果てました。環境変化に追いつけなかったのです…。
 平成7年には岐阜県の長良川中央、三重県の員弁川支流の養父川滋賀県の愛知川と5月中旬に連続3回ボウズをくらいます。
 5月下旬まで
「釣れない、不調や」と、思ってアユ竿を持ちませんでした。
 5月28日に、初めて竿を持ちました。有田川の川口です。
 もたもた、10m竿につけた養殖オトリは、うまくポイントに入ったと思われるのですが、午前7〜8時まで、アタリなしです。
「おかしい、へんだ!」
 解禁日5月26日から二日間しかたっていないのに、瀬肩の黒岩でも瀬落ちの茶玉石でもピリッともしません。
 有田川での友釣りはコツがあります。そのコツは「かけ上がりでオトリを泳がす」ことです。
 頭では分かってますが、何しろ10m竿につけた養殖オトリは、かけ上がりを、かけ上がってくれません。
「9.5mの竿にすればよかった」
 何しろ半年ぶりの友釣りです。色々、思い浮かびます。でも、頭と体は別々です。
 そのうち、まぐれで1匹掛かりました。
「黒岩のある瀬肩です」
 16pを取り込んで、同じところに泳がしていきます。糸をひかせて、黒岩に近づける…。
 うまく次のアユが追いません。この時の水中糸は、東レのメタル0・03号でした。金属糸で泳がせくます。
 実際のところ、水量のある熊野川、長良川、神通川などでは、メタルの水中糸でオトリを泳がすのが正解でした。
 ただし、平水の有田川では、ナイロンで泳がすほうがアユはよく追ったのです。
 ここらが、シーズン初期の釣行からは、分からなかったのです。
 とにかく、2時間、3時間とやるうちに、オトリ操作は慣れてきたのです。
 ある程度は、逆あげがやれるようになりました。
 午後2時に、体がへばって竿をおきました。平水、水温20度、濁りなし。普通なら夕方の入れ掛かりを期待します。
 アユの友釣りは、体の慣れないうちに、長時間やると、体をこわす、と思われたから、竿を置きました。
 竿はダイワの競技F中硬硬10m285gです。ハリはカツイチV5の7号3本イカリをマジックハリス0.6号にくくっておりました。
 この日の釣果は12〜15pを25匹でした。家で計算すると、養殖オトリ2匹抜きで、880gありました。1匹平均35gです。
 次の日(5月29日)は、日高川の小熊です。朝一の出発から瀬肩で入れ掛かりです。
 これは、竿慣れ、アユ慣れから「民宿かわべ」で買ったオトリをスイスイ泳がせることができたからです。
 養殖のような天然アユが、瀬落ちのひらきで、入れ掛かりになりました。
 日高川のアユは、有田川と違い泳がすだけでなく、引きも有効でした。
 有田川と同じ竿10m中硬硬、水中糸メタル0・03号、ハリはV5の7号3本イカリ、マジックハリス0.6号。釣果13〜19p62尾です。
 ここでもし、東レの赤プロ0.1号を使い、竿もTV9.5mの中硬263gにしておれば、おそらく3桁釣りになったでしょう。
 後でわかったのですが、平成8年の友釣りは、ナイロン糸だったのです。
 この後、6月1日に有田川で1匹、6月2日同じ有田川で10匹しかよう釣らなかったのです。
 水位は、やや減水気味でした。6月2日は和歌山オーシャン釣具店の大会でした。決勝戦で、逆あげをやり、瀬落ちのワキで早々と2匹をあげたのです。
 大きな養殖オトリで、逆あげをやる。
 1尾釣れたら、もう1尾のサラの養殖オトリを使う。
「泳ぎの悪い養殖オトリで、逆あげをやる」
 これが有田川の必釣法だったのです。あと2匹釣っていれば、オーシャン釣具店の大会で優勝だったのです。

(1)瀬ワキ。
(2)大養殖オトリ。
(3)時間をかけた逆あげ。
(4)水中糸はナイロン0.1号。
 釣の対象は平均16p35gのアユですから、有田川の場合、竿は9.5mの方が、こまかい操作ができ、よく釣れます。
 有田川と、よく似た川が古座川なのです。
 ぼくは、昨シーズン6月28日から30日まで、3日間で271匹、一日平均90尾をあげました。
 そして、この古座川とよく似た川が奈良県の吉野川支流の高見川です。
ここで、東レのミラクル0.1号のフロロカーボン糸を使って43匹をあげます。平成8年6月25日のことでした。
 ナイロン糸よりフロロカーボン製の水中糸のほうがオトリアユがよく沈みます。
 シーズン後半、9月以後はムチャ掛かりになりました。水中糸はフロロです…。
(大阪市在住/チロリン会)