月刊つりのとも'98年6月号より



村田 満「竿運快釣」-23-
1998アユ「最新釣法」



 最近の友釣りは、大きく分けて二つのやり方があります。
@トロ場のカケ上りでオトリを横に泳がす。
A瀬の光る石が並ぶ所でオトリをソロソロ引きずる。
 大切なことは、横に泳がすにしても、ソロソロ引くにしても、これまで以上に、オトリの動かし方をゆっくりすることです。
 スローに送らなければ、オトリはポイントの素通りに終ります。
 平成の最新釣法は、ジミジミで、根気忍耐のガマン較べになってきました。回りのヒトよりどれだけじっとしておれるのか。
 いわゆる守りの釣りです。
 守りの釣りとは、釣りたての黄色いアユをオトリにしても、色がさめて白くなるまで、野アユが反応しないことです。白くなるまで待つ。皆様には、コレがなかなか理解されません。
「元気なオトリが、なぜ、追われないのか」
 答えは、水中糸が細いので元気よくポイントから逃げ出すのと黄色い退色の強いアユでは野アユが反対に怖がるからです。それだけ闘争心がありません。
 メス化するアユなんて言われています。関西では、釣人が増えた最近の川ですが、まだまだ、中部や関東のことを思えばガラ空き状態です。
 その気になれば、三ケタ釣りが可能です。北陸、東北などと同じように、アユがたくさんいて、ヒトのいない釣場があります。
 4駆で釣場に横づけの最近は少し歩く気になりますと、スバラシイ所があります。
 一週間も二週間もサオの入っていない所のアユはオトリが川底に沈んで、水底から5cm、水平の追われやすい姿勢にならなくともガチンコと当ってきます。
 最新釣法も昔釣法も関係なしにドンドン掛ります。
 昨年5月26日の解禁日、兵庫県の揖保川で33尾でした。
 お茶尻11、長瀬12、カラト5、松ヶ瀬5の合計33尾(12〜18cm)
でした。中流から下流に動いて、下流ほど悪かったのです。もし、この時、反対に行動しておれば、どうなったのでしょうか。
 5月28日、オアシス前0、清野11、名畑11、長沢レストラン下21の合計43尾(13〜20cm)でした。
 29日、長瀬4、長沢6、五十波3、清野7の合計20尾(12〜18cm)
 アユをたくさん放流した中流にごだわって、3日間96尾、一日32尾だったのです。
 29日の夜、与位の陶山家(揖保川のプロ)に地元の人が4人来て「最近釣法」を聞かせて欲しい、となりました。ビールを飲みながら、結局はコチラの話しよりも、解禁から「どこが釣れているのか」のソチラの話しになりました。
 講釈をタップリ聞かされたぼくは、その夜は眠られませんでした。
 5月21日、23日、24日、26日、28日、29日と6回も釣りに行きながら、シーズンの釣れる釣場がつかめていないのです。最新釣法の元になる「最新釣場」が分っていないのです。
 笑います。
 一本の川に3日間も漬りながら一体ナニをしているのでしょうか。
 揖保川にアユはいないのでしょうか。それとも人工アユだから、釣れないのでしょうか。
 実のところは、最新釣法の元になるアユの分布が偏在する、魚影が一個所に集中する、平成の新分布を知らなかったのです。
 これまでのアユは、バケツに一杯ずつ小マメに放流して回って、均等分布を心がけていました。
 平成の今はココというめぼしい所にホースで、ドカンと入れます。
 と言いますよりも、ココに入れたら、アソコまで登る、コンナ所まで下る、というコレまでのアユの移動習性をとらえて、集中放流をしていたのです。
 平成9年は、その移動習性が狂ったのです。
 揖保川4日目の5月29日、ついに、ぼくはアユの移動習性をとらえて、朝から入れ掛りをさすのです。午前8時から午後3時まで、7時間で60尾を釣りました。
 アユは、水の美しい上流へ登る。
 揖保川の場合、一ノ宮のヤキ下に溜っていたのです。
 青い鳥が、ようやく活躍します。
 青い鳥というのは、VS銀影競技スペシャルT中硬硬9.5mSGのサオです。
 新開発の超早がけ7.5号の4本イカリも、やっと日の目を見ます。
 水中糸のメタル003号も威力を発揮できたのです。
 今年は、青い鳥が赤い鳥に変ったぐらいで、昨年とあまり違いはありません。
 実は、青い鳥も赤い鳥もサオの仕様はパワーアップと色をかえただけで同じモノなのです。
 おそらく、川のアユも均等分布でなく、昨年のような偏在濃厚分布になると思われます。