
| 村田 満「竿運快釣」-26- |
| スッポン釣法 |
| 村田 満 |
|
変動の時代といわれています。安定を期待するのがムリのようです。今日釣れたから、明日も釣れる。毎日同じ釣果が出る。 平成10年の友釣りに関して、それはありません。 毎日毎回、釣場を替えて、川を変えて、流れ流れて、ついに行きついた結論が「釣れないナァ」です。釣れないから「ガンバろう」。 5月は125尾、6月は739尾、7月は691尾、釣れない不安定のシーズンの割りに、成績はあがってきました。 これは理由がハッキリしています。釣れない釣場に行かないからです。6月7日の盛期に、もし、ダメ川に漬りますと、8月9月の稼ぎ時に釣れなくなりそうだからです。明日は不明の時代だから、今日に全力投球をしています。釣るのは、この日、この時しかありません。 例えば6月5日、日高川で1尾でした。アユがいないと大さわぎです。松瀬も三百瀬も船津も、下流に天然ソ上アユがいないのですから日高川が釣れなくて当然です。 放流の種苗センター産の人工ものが釣れ出すのは、9月に入ってからです。イヤ、7月15日過ぎから釣れ出した、とスポニチ名人戦の下見をしている連中が言っています。 「25cmが出た」 「数は50尾ぐらい」 6月のこの時は、下流の日高川は、ほんとうに釣れませんでした。 そこで、組合に行って聞きました。 「今、よいのは何処か」答えは支流か本流の最上流ということです。 次の日、寒川谷(支流)へ行きました。15尾(13〜18cm)釣れました。前日が1尾で当日が15尾ということは(15倍よく釣れる所は)小さな水のきれいな所ということです。 6月の雨、雨の増水期の話しですから、これは間違わないようにして下さい。 7月中旬からは、本流の水量のある所で釣れ出してきています。 変動のシーズンなのです。 ぼくは、とにかく、数を稼ぐために、小さな川へ足を向けることにしました。そして、6月22日に角川(富山県)で219尾を釣りました。20cm80g級が一日、朝から晩まで入れ掛りです。 7月11日、胎内川で101尾でした。この7月11日が、小さな川から大きな川への釣れる川の転換点だったのです。 転換したのを知らず7月16日、同じ胎内川へ行きます。今度の目標は300尾だったのです。 小さな川幅20mほどの胎内川は大減水で、チョロ川に変動していたのです。62尾でした。 700km彼方の新潟まで来て、たったの62尾とは、これは大失敗というよりも、以後の友釣りを根本的に組み替えなければならない大警告だったのです。 次の日(7月15日)、大阪へ帰ってきて、さてどうするかです。 次の日(7月16日)は、栃木県那珂川です。東日本ブロック大会の予選、決勝の取材です。 ダイワマスターズ第12回大会へ誰が出るのか。東日本ブロック大会で勝ったのは、地元の谷嶋浩二さんでした。栃木県那珂川黒羽町の人工アユの友釣り、横スベリ釣法、アベコベ釣法、クルクル循環釣法、アタリ開きとり釣法、ハリが鋭いイチイチ釣法、釣れるまで待つスッポン釣法、決定版掘れミゾ釣法、段差水面釣法、名前を付けたら切りがない平成10年の人工アユの友釣りを見せてくれました。 これまで友釣りは、引き釣りと泳がせ釣りに分けられてきました。引き釣りというのは、釣人がオトリを自分の思うように引いて回る釣方です。 泳がせ釣りというのは、釣人がオトリの体力が元気で泳ぐのを、自分の思うように運転していきます。泳がす自由は与えるが、あくまでヒモ付きなのです。 強制の引き釣り、自由の泳がせ釣り、この二つの中間として、止め釣りが「よい」と言われておりました。 ところが、今年のオトリ運転は引きでも泳がせでも止めでもない「なんだか分からない」釣法が合うのです。 人工アユという怪物が友釣りの対象魚になって、最低一個所で5分間は待たなければ「釣れる」か「ダメ」の答えが出ません。 釣れる時は、そのポイントからオトリが横スベリして逃げ出します。だから、これを横スベリ釣法というのです。 このオトリ横スベリ状態にするまで、じっと、そこでサオ先を動かさずに止めて待たねばなりません。右の構え方でサオ尻を右手で持つ、左の構え方でサオ尻を左手で持つ、そんな決まりや常識を捨てて、その時の本人の気分でアベコベにサオを持って、待ちます。 気分転換になるのです。タバコを吸うかわりに、サオの構え方をかえるのです。 マルチやズームと同じ考え方です。手を替えるとアユが釣れることがあるのです。オトリの状態や動きが変わるのです。 アベコベ釣法ともタマゴッチ釣法ともいいます。玉子がヒヨコにかえるのです。トリが野アユになるのです。 野アユになったオトリを、またアミに取り込んで、サラにして出してオトリにするのがアユの友釣りです。 ここで大事なのが人工アユの友釣りは、釣れる所を移らないことです。だいだいサオ3本分ほどの間を自分の受け持ち範囲として、微妙な地形の違いを頭にたたき込みます。アユの釣れる所を覚えるのです。 ピンポイントを押さえます。そして、30分なり1時間なり間を置いて、そのピンポイントにオトリを沈めます。同じようにアユが掛ります。これをクルクル循環釣法といいます。 大会必勝法なのです。 もちろん、アユがソコで掛かる時はオトリの逃げやびびりが感じとれます。アタリ聞きとり釣法といいます。 オトリの変化を察知する集中力がいりますが、これが分り出しますと水中テレビになって、友釣りが面白くてしかたがなくなります。 今の人工アユは、体が大きく、ウロコも硬く大きくなっています。 鋭いハリ先のハリでなければ、ハリケラレやバレが多発します。 アユ一尾にハリ一本の交換が正解になることが多いようです。イチイチ釣法といいます。 ぼくは、これまで、とにかく釣場を動き回ることが多かったのです。この関東の那珂川の大会を見学して、予選、決勝ともに上位入賞者は、そこにくらいついて離れないことを知りました。 スッポン戦略とでもいうのでしょうか。広いようで狭いのが人工アユの釣場です。 瀬落ち、淵の頭しか釣れない。とは限定できませんが。決定的なポイントは、周りより一段深くなったミゾの中とか、柳の木の下のウロ穴の前とか、掘れミゾを捜せばアユはよく釣れます。これを水面の波立変化で見ますと水面段差 になっています。 段差のある下のカガミは釣れるのです。ぼくは、平成10年7月17日、これだけの勉強をして、那珂川から帰りました。 そして7月20日、有田川のオーシャン釣具店の大会に参加します。 第8回大会になります。これまで優勝が1回もありません。今回も同じだろう、ということでした。 有田川も24cmの人工アユが出ています。果して、110名の参加者の中で、トップ釣果をあげれるのでしょうか。 |
