月刊つりのとも'98年12月号より



村田 満「竿運快釣」-29-
不調のシーズンに一日平均36尾 新潟の川へ行ったからです。

村田 満

 平成10年の今シーズンは、アユがよく釣れました。
 一回平均36尾です。
「ほんまかいナァ」と、集計しながら我ながら疑いました。
 昨年が37尾でしたから、わずか1尾少ないだけです。
 日高川も揖保川も型こそ良かったのですが、釣った感じがしませんでした。
 それなのになぜ、一日平均釣果が36尾にもなっているのか。
 つらつら考えてみますと新潟の川へ行ったからです。
 三面川(ミオモテガワ)
 荒川
 能川
 胎内川
 大川
 天然のソ上のバカアユのいる川です。
 サケが主な漁獲物になっていてアユは従属品です。
 友釣りなんか、アホらしくて、真剣に取り組めない。
 36万円もの高いサオを買って、小さなアユを釣って喜ぶ者の気持が理解できない。
「赤い鳥がいいの、青い鳥が好きだ!」は大の大人が言うことではないらしいのです。
 そんな新潟、正確に言いますと「村上」です。ぼくは村上で友釣りをしました。
 平成10年の村上は、アユの宝庫になりました。前記の川の他に、アツミ川、ネズガゼキ川、アカ川、ガッコウ川まで約一時間で行けます。これは山形県の川です。
 山形でも新潟でも、主な友釣り河川へ一時間以内で行けるのが、村上なのです。
 村上は重要地点になるのです。
 ここを基地にして、大小の川を釣り歩けば、毎日が黄金色に輝いてきます。
「しまった」これからでも遅くない。ぼくは7月10日に村上の三面川へ行って感激しました。
 三面川で釣ったアユは11尾でした。
 その色香に酔ったのです。
 この世に、こんな美しいアユがいたのか。
 午後3時から午後5時までの2時間の友釣りでした。
 三面川は濁っていました。もしこの時、支流の高根川を知っていたら、午後3時からでも50尾にはなっていたでしょう。7月13日にその澄んだ水の高根川で2時間、40尾のアユをテレビの撮影中に釣ったのです。
 なにも知らないぼくは、次の日村上から30分の胎内川へ走ります。
 胎内川は7月11日(土)解禁、黒川橋の上下にはヒトが2、3人です。
 川幅20mあるなし、水深50cm前後の小さな川です。
 ぼくは富山の盛井影さんとJR鉄橋下まで釣りくだりました。
 午後3時までに101尾(12〜18cm)になりました。
 盛井さんも80尾でした。
 小さなアユですが、天然ソ上がわんさかおります。
 地元の釣人の話しによりますと8月には200尾釣りが可能とか。場所さえ知れば、入れ掛りになるでしょう。
 さて、いったん大阪へ帰って、7月13日、JR村上駅へ。
 大阪駅を前夜8時17分の寝台特急「日本海3号」に乗ると、翌朝5時12分に村上へ着きます。料金1万8800円です。
 ここで、釣りチャンネル(株)の撮影隊と合同します。
 新潟三河川の友釣りを撮るのです。三面川、荒川、胎内川です。
 お恥かしい話しですが、ぼくは三河川ともよく知りません。釣りチャンネルのカメラマンの腕がどの程度かも分かりません。
 ブッツケ本番の出たとこ勝負です。撮影の目的は「三ケタ釣り」です。
 13日、午前5時30分に、三面川水明橋の手前にある高橋オトリ店に行きました。ここで、高橋のお父さんに、三面川の案内をたのんだのです。
 中島という所からはじめました。
 もしこの時、三面川本流および支流高根川の知識情報を持っておれば……入れ掛り、三ケタ釣りができていたでしょう。
 アホなことですが、高橋のお父さんの指示通り瀬肩より少しくだった早瀬の中で釣り始めます。
 誰もやっていませんから、いきなり3尾入れ掛りできました。
 ただ、アカがついておりませんから、それで終了です。
 この時、山形の寒河江から来た仁平さんと飯田さんが上流の中州へ行きます。
 ぼくは下流へくだります。
 下流の一本瀬で、左岸から立ち込んで右岸のスミをやったのです。
 20cm級を含めて、7尾取り込めました。
 天然の黄色い美しいアユでした。
 釣り出して二時間ほど、まず、合計2個所で10尾はいい方でした。
 笑って、元の場所へ帰ってきたら、上流から帰って来た飯田さんが30尾からのアユを引き舟からアミへあけました。
 ゲーッです。
 これ以後17回三面川へ通うのですが、布部橋から中島の間、中州周りも含めて、入れ掛り場所は3個所ほどあったのです。
 ここだけで一日やれば100尾になっていたでしょう。
 この日は、中島から上流の下野へ行き、支流の高根川をやって、最後は水明橋で一日をしめくくったのです。合計65尾(12〜21cm)いま思えば、高根川で2時間40尾を釣ったのだから、ソコを次から次へと釣り下れば、軽く100尾はこえていたでしょう。
 ぼくは、2回目で、ナニも知らなかったのです。
 次の日は、荒川です。
 朝から暑い汗がだらだら出る日でした。
 7月14日午前7時、花立エンテイ下から撮影開始です。
 広い広い、玉石のゴロゴロしているトロ場です。ハミアトもあるし、ヒトもいないし、これは有り難い。と思ったのですがオトリをドンドン動かして、500mほどのトロ場を釣りさがります。
 ピリッとしません。
 三面川なら入れ掛りになる石の色ツヤに、ぼくはハテおかしいと気が付きます。
 どうやら素掛けで荒しまくるようです。
 やがて、釣人が出現します。
 これは、やめた方がいい。
 ぼくは、荒川の知識情報がありませんから大失敗をしたのです。
 ここから、4kmほど上流の女川の合流点へ移ります。
 ここでいきなり、入れ掛りです。
 20cmの肥えたアユです。
 41尾、バカ釣りです。
 このまま同じ所でやれば三ケタ釣りなのですが、撮影なので場所を替えよう、となりました。
 三面川でもそうでしたが、三ケタの釣果が目的といいながら、実際には同じ画面、場所ではアキられると、釣りを中断して、新しい場所へ行っているのです。
 平成10年の不調のシーズンに、いくら新潟の川でも、行くとこ行くとこ良いハズはありません。
 荒川でも小見橋へ行って、29尾にしかなりません。
 ここは、人だらけでした。
 合計70尾。
 新潟第3日目、7月15日は胎内川です。
 暑い暑い朝でした。
 午前6時から黒川橋でオトリをつないだのです。
 瀬に送り出したのですが…
 11日とちがって、30cmからの減水です。川はチャラチャラのやせた状態に変わっていたのです。
 これは、順番を間違えたと気が付いたのです。
 胎内川を13日に釣って、三面川を15日にするべきでした。
 30分間ほどで移動できるのですから。
 しまった、しまったで、胎内川は62尾でした。
 65+70+62=197、300尾以上はあがると予定したのです。それでも一日65尾平均。
 まずは楽しい3日間でした。(大阪市在住)