月刊つりのとも'99年4月号より



村田 満「竿運快釣」-33-
最新のハエ釣り用品に触れて人生にハズミがついてきました

村田 満

 最新のハエ釣り用品が自分の釣りにハズミをつけてくれます。
 ある人が京都の宇治川で、毎回2〜3時間で、三ケタのハエを釣る。その地図、その仕掛、その用品、その他の注意を書いた手紙が2通も3通もきたのです。
 本誌にも投稿されている方です。
 要するに、新しい機械を使えば入れ食いでハエが釣れる、と教えてくれたのです。
 その人の言う通りそのハエ釣りの機械(エサ付け、魚はずしの二行程がハリスを横に引くだけで、ワンタッチでできる)を購入しました。
 ぼくがハエ釣りからアユ釣りに転向したのは、昭和56年(1981年)でした。ふた昔ほど前のことです。
 かなりの時間が経過しております。スパゲッティのエサでハエを釣っていたのがネリ餌にとって代わられ大変化したのです。
 その18年間のハエ釣りは釣技、用品の進歩が著しく、2時間の試合で383尾などという大釣果が出たのです。
 一般の釣人の一年間の釣果記録を高速エサ付け機は、2時間で出すのです。
 ぼくはこの大進歩、高速化に対して、背を向けていました。
 寒バエ釣りに有田川や日高川に行ってもほとんど釣果にありつけないからです。
 釣れる釣れる大釣果の大進歩=超高速化は結局、われわれ一般の釣人には何のプラスももたらさなかったのです。
 1月、2月のハエはパスして、3月のアマゴ釣りから釣りを本格的にやろう、と決めていたのです。
 そのぼくが超高速機械を持ったのです。とたんに変わりました。
 有田川で、日高川で、ハエ入れ食いになったのです。釣れる所を真剣に捜し出しました。
 ハリスを引くだけでハエがはずれてエサが付く釣りがどうしてもしたかったのです。
 高速ハエ釣りの快感にとりつかれました。
 ダイワ精工の長継ぎハエスペシャル4mのサオにもしびれました。
 サオは10年ほど前の製品です。
 こんな面白い釣りをなぜしなかったのか。1月のことでした。
 その前に昨年12月末からアジの「夜釣り」を始めました。
 正直、夜の海は自分にピッタリきました。
 これも面白いなんてものでなく興奮そのものでした。
 夜はアジ、昼はハエ。
 平成11年、ハエだけでなくぼくの人生は夜釣りでハズミがついてきました。
 赤い電気ウキや青いケミホタル赤い燈や青い燈のネオンウキが暗い海面に浮びます。
 これに、まもなく解禁になるアマゴに新兵器があるのです。
 99型の新ザオ・コハクの7mです。
 7mで140gの目方、軽さそのものよりも、そのサオでアジを釣った時の感触です。ビリビリです。
 伊藤稔が開発にたずさわって、8本継ぎのこのサオの感度伝達の性能が飛躍したのです。
 伊藤稔先生は「一点集中」の凝り性ですから、企画担当者にカンド、感度、アタリ、当りと言い続けたのでしょう。凄い伝達性能です。
 あらゆるミャク釣りで、このコハクMK70が活躍するでしょう。
 なにしろ目印に出ない小さなアタリが手に伝わるのです。
 堂ノ浦のカセで、メバル釣りをして、9mもの水深の深い水底でエビを食う「メバルの食いアタリ」が伝わるのです。
 アマゴのいる水深30cmや50cmの浅い所では、飛び上るほどの大アタリが出ます。
 アユザオも「一点集中型の釣人」が「巧匠(こうしょう)」という毛色のちがったサオを作ったのです。新しいモノがよいわけではありません。
 モノはヒトによって、方向が決まります。そのヒトが今の釣り界の空気を感じていなければ、失敗作となるのです。その人に時代のツキがあるかないかです。
 とにかく、これまで未体験の超最新のハエ用品とMK70のサオが出現して、ぼくの人生はハズミがついてきました。アユザオもそうです。
 アユはしばらくおいて、まず、3月1日の渓流は入れ食いをさす予定です。
 コハクMK70のサオで、目印にアタリが出る前に、食いの感度で合わします。
 有田川のハエのミャク釣りで、さんざん練習をして解禁にのぞみます。
 ウキ釣りででも、一日ハエ三百尾にはなるでしょう。
 ぼくは、正月からXポイントを決めて、そこのハエは釣るだけ、マキエとサシエを食べさして、肥らせています。釣っては放流しています。
 いくら立派に仕上がった用品でも、サカナがいなければ生かせません。「増やせハエ」です。
 この点で昔々、ハエ釣り用品が進歩して、ハエが急激に釣れて、うれしくなって放流を忘れたのです。
 釣るからハエがいなくなるのではなく、殺すのが悪いのです。
 バス釣りのようにその場で放流すれば、いつまでも釣れます。
 三百尾、三百尾、もし毎回、誰にでもハエが相手をしてくれれば今のような寒バエ釣りの衰退はなかったのです。
 これは驚くべきことですが、正月から2月中旬まで、Xポイントで釣っては放し、釣っては放しをしておりましたら、ぼくがそこに立ってマキエをすると、川底でハエがギラギラ白い腹をかえします。
 もちろん、入れ食いです。
 このXポイントは、今のところ一個所だけです。
 3個所もあれば(作れば)毎回三百尾は現実のものとなります。
 これは、アマゴにもいえます。
 東北の川では、ヤマメの放流が盛んです。
 養殖ヤマメの放流でなく、釣人がする釣ったヤマメの放流です。
 引き舟に釣ったヤマメを入れて生かしておいて、ポイントを替わる時にカズを読んで川へ返すのです。ですから、伊藤先生の行かれる東北の川はヤマメの入れアタリです。スレているので、感度のよいミャクのサオが要求されるのです。
 なにしろ、東北ではヤマメが関西のハエ並みに、そこら中の川にいるのです。
 関西のアマゴは放流しません。
 貴重品ですから、放流するのは「もったいない魚」になっています。
 だから解禁をすぎると、すぐに釣れなくなります。山の奥のまた奥へ、歩いて山を越えて、ようやく釣れるのです。
 車で横づけの釣場で、三ケタ釣りはできません。
 ぼくは、ハエのようにアマゴを放流して、Xポイントを作る気持は起きません。
 アユもそうです。
 しかし、自分専用区で秘密にできれば、その場所をサカナであふれさす自信はあります。
 最新の釣り用品はたしかにサカナがよく釣れます。
 ソレを生かすためには、ナニか新しいことを考えねばと思っております。
(大阪市在住)