月刊つりのとも'98年1月号より



村田 満「竿運快釣」-18-
友平成9年、友釣り始末記



 平成9年7月から11月まで、大事件の連続でした。
 もしこの時アユの入れ掛りがなかったら、ぼくはヤケクソになっていました。
 例えばです。
 ダイワ精工の株を5万株マージンで買いました。
 5月に500円で買ったのが、10月に280円です。
 一千万円以上のソンが出たのです。
 もちろん、ここで、株を投げるわけにはいきません。
 追い証を次から次へと入れて、ふんばりました。
 アユザオの青い鳥の「スバラシ」さを使って知っています。
 いずれ株上げする、と思っていましたら11月12日にズドンです。
 374円になって、追い証を入れて買った分350円以下を売ったのです。
 ぼくが自分の人生に自信を深めたのは、10月31日の自動車事故の時です。
 熊野川で入れ掛り61尾、型は小さいけれど、美しいアユを釣って11月3、4日の連休をソコで過すつもりでした。
 ところが、帰り道に交差点(ルビ 家まで、あと300m)で、衝突事故を起こしたのです。
 午後10時で、寒い風が吹いていました。
 ポリさんが来て「お前が悪い、あやまって、人身でなく、物損にしてオケ」と助言されました。
 こっちも、ゴールドカードに傷をつけたくありませんから、ペコペコ、いつものバッタになりました。
 一週間後、こちらは、カゼで、しんどかったのですが、修繕費に30万円をかけたサニーは、ピカピカになっていました。
 ゼニを出したのは、保険会社でわがフトコロはいたまずです。
 今の世の中、チエさえ働かせば、なんでもうまく行きます。
 アユの友釣りも、平成9年は不調の記事ばかりです。
 笑います。
 「お前らのチエでは、たかがしれている」内心は天狗になっていました。
 不調を不調と書く「つりのとも」もたかがしれている、アユの釣れる川で、超入れ掛りをやれば、不調は下手クソの代名詞と気が付きます。
 平成9年は、平成8年までの考え方で、アユの釣れないのは確かです。
 ビワ湖の不調に始まるゼニ儲け主義の業者のアユ苗を入れた川はダメでした。
 自然はゼニでカタがつきません。
 ゼニ抜きで、アユ苗を入れれた川だけが、今年は繁昌しました。 釣れる川として、和歌山の有田川、日高川、熊野川、兵庫の揖保川、千種川など、なぜ、予想外に釣れたのかです。健康なアユを入れたからです。
 ただ、断っておきます。
 有田川にしろ日高川にしろ、熊野、揖保川、千種川でも、どこでもアユが釣れたのではありません。
 5月26日から30日まで、揖保川に4回漬って、テレビ撮影をしたのですが。
 5月26日、お茶尻、長瀬、カラト、松ヶ瀬と4個所も移って、33尾にしかなりません。
 300万尾の放流アユは、どこへ姿を消したのか。
 28日43尾、29日20尾と揖保川のアユ捜しに、けんめいになりました。
 5月29日、地元の釣り師が、ぼくの泊っていた陶山さんの家に来て、ビールを飲みながら釣り談義です。
 三方川の出合の上下で、毎日80尾から釣れている。と。
 上(かみ)だ、という結論が出たのです。
 5月30日、かみの一ノ宮農協前に行くと、ソレまであった臭い処理場がなくなって、立派な荒瀬が目に入ります。
 三方川、引原川、そして、この農協前が平成9年の大本命釣場だったのです。
 瀬肩が釣れる。
 ぼくは、午前8時から午後3時まで、7時間60尾にもなったのです。
 もちろん、型も20cmをこすのがまじりました。
 ただ、ここでこれだけ釣れるのなら、下の板橋も釣れるだろう。
 と、午後3時30分から移動します。これが午後6時30分までに7尾にしかなりません。 均等分布を頭に浮べていたボクは、大失敗をします。
 ぼくのどいた後に入った尾崎孝雄は、なんと50連発の入れ掛りで57尾を取り込んだとか。
 平成9年のシーズンで一番よく釣ったのが、この日だったのです。
 ぼくが、農協裏の荒瀬で、夕方までやっておれば、完全に三ケタ釣りになっていました。
 後で、参考にしました。
 もし、その川で三ケタを狙うのであれば、ソコを動いたらいけません。
 見える範囲の上下1kmぐらいはよろしい。
 見えない範囲になりますと、ソコの釣況が分かりません。
 3時間ほど休ませれば、また、釣り返しが効きます。
 同じように釣れます。
 ぼくが笑ったのは、日高川の竜神の釣場です。
 ココが、宮代の一等場所だ!と紹介された所は、一ノ宮の農協前のソレと同じ、荒石、荒岩の荒瀬でした。
 支流の丹生川が意外釣場というのも揖保川の支流が穴場だったのと同じです。
 コレは似ている。
 日高川が揖保川に似ているのか揖保川が日高川に似ているのか。
 どちらでもよろしい。
 そお言えば、揖保川で毎日釣りをしている陶山さんが、日高川へくると、不思議によく釣ります。
 6千尾がシーズンの目標ですが、それぐらいはあがっています。
 5月下旬から、11月まで、丸々の五ヶ月間、毎日アユ釣りなのです。一日平均40尾を釣れば、150日で6千尾になります。
 ぼくは、一万尾とはいいません。
 せめて、7千尾は釣りたいのです。
 今年なんか、新潟県のアラ川や、ミオモテに漬っていれば、毎日、150尾以上出たでしょう。
 150尾×90日=13500尾。
 計算をしてみれば、一万尾なんて、ソノ気になれば、簡単です。
 なにかのヒントをつかめば、あとはスラスラ、友釣りは釣れるようになります
(大阪市在住)