月刊つりのとも[96/12]


リザーバー・バッシング
淡路の山上湖常盤ダムのグッドコンディションバス


今月はJBプロ第1期生の酒井信由喜さんと、淡路島のリザーバー(人造湖・ダム湖)攻略に行ってきた。
酒井さんはルアーをキャストしだして20数年という大ベテラン。特にリザーバーがお好きなようで、近畿一円の七色、池原、高山と言ったダムの最盛期をすべからく味わい尽くしたそうである。そんな酒井さんの取って置きのポイント、淡路島のダムを攻めてきた。淡路のリザーバーは大減水酒井さんにとっても2、3年ぶりの淡路島の、まずは谷山ダムに車を進めた。

屋根にはVハルの12ftアルミボートが固縛されている。谷山ダムに着いて酒井さんが我が目を疑ったような顔をする。
「何やこれは、10mほど減水してるわ」
確かにダムサイト下方にほんの少し水溜まりがあると言った表現が適当なくらいにしか水がない。それでもバスのライズは確認されたので、バスがいることは間違いないようである。

しかし「減水はバスにとって非常なプレッシャーとなる」と酒井さんは言う。谷山ダムを諦めて今度は常盤ダムを見に行くも、多少ましなぐらいでこちらも減水。仕方なしに一気に三原の上田(コウダ)ダムにまで足を延ばす。ここも相当減水しているものの竿を出すことにする。ただし陸っぱりで。リザーバーのクリアウォーターは…この上田ダムは陸っぱりから狙えるところの水は結構澄んでいてクリアー。酒井さんは言う。「リザーバーでのクリアウォーターは難しい。満水の時ならまだしも減水していてただでさえバスにプレッシャーがかかっているのに、人の影が水中からはっきりと分かるようなクリアウォーターではバスはなかなか食ってこない」

「バスは湖の真ん中の方で浮いているやろね」の言葉通り、空では鳶が湖の真ん中付近を旋回している。その直下にベイトフィッシュ(エサの小魚)が群れていて、その下にバスもいるのだろう。リザーバーのポイントここで作戦を練り、常盤ダムにとって返してそこでボートを下ろして釣ろうと言うことになった。日本のリザーバーは大概岸から急にドン深になっているので次の点を頭に入れて攻略する。

1、バスは水深10m以上のところにはいないと思って良いので、岸に向けてキャストする。それも大体6〜7mぐらいまでの層をチェックする。

2、リザーバーのバスは地面に張り付いている甲殻類や岸に沿って落ちてくる昆虫類を食べていることが多いので、岸にタイト(ぎりぎり)にキャストする。

3、水面上もしくは水面下に何の変化もないところにバスはいないので、立ち木や水没した建物、橋などがポイントとなる。リザーバーの真ん中に何の目印もないのにキャストを繰り返すのは無駄。底の状況が分からないときは、重いシンカーで底をズル引きし、何か変化のあるところを狙う。

4、立ち木が何本も並んでいるところを入念に1本づつチェックしていたのでは相当な時間がかかるので、一番太い木の周りと、寄り添って並んでいる木の間、一番外側の木の周りを主に攻める。

5、リザーバーの周囲の地形を良く見る。尾根が水面に入り込んでいるところは水面下まで同じ形状、つまり馬の背になっていると考えられるので、好ポイントとなる。また水面に出ている立ち木の水面下での枝の様子をイメージしてみるのもよい。

6、常に新鮮な水が流れ込むバックウォーターもエサとなる小動物が集まるので、バスには絶好のフィーディングスポット(エサ場)となる。また水中酸素含有量が多いことも挙げられる。春先や冬場は雪解け水が入るので不適。

7、この他、ワンドや岬の先端、ガレ場も挙げられる。ワンドは比較的浅場が多いこと、岬の先端は水通しがよくベイトフィッシュが多く集まること、ガレ場は身を隠すのに適していることと、甲殻類が多く居付くことが理由として考えられる。

 リザーバー攻略法酒井さんがメインに使用したリグ(仕掛)は、テキサスリグ、シャッドプラグ、スピナーベイトとバズベイトの4種類。初めはスピナーベイトとシャッドプラグでテンポよく岸や立ち木周りを丹念に攻めていく。これはその日の状況を見極めるためのチェック。反応がないので、テキサスリグにパドルテールグラブをセットしたものでスローな釣りに変更。これが当日のヒットルアーとなった。

ポイントは馬の背になっているシャロー(浅場)にセイタカアワダチソウと思われる植物が水没した一帯。ここに静かにグラブをキャストし小刻みにシェイク(シャクリ)する。ドン深でポイントが狭いところではシェイクは小刻みにする。広く探れるようなところでは大きなシェイクでもよいのだが、狭いところでは小刻みにシェイクしないとすぐにバスのいるポイントからグラブが外れてしまうからである。アタリは手に伝わるアタリと、糸の変化に出るアタリで取る。活性の高いときは瞬時に合わせないとハリを飲まれてしまうが、活性の低いときは少し送り込んでからでないとハリに乗らない。

 ルアーアクションルアーのアクションの付け方をもう少し見ていくと、まずルアーを水際ぎりぎりにキャストするのは前述通り。ついでワームなどのソフトルアーなら常に底を取ることが重要になる。バスは底(壁)にへばり付いているから。バスが居るであろう層を探り終わったらすぐにワームをピックアップ(巻き取る)して次のポイントにキャストする。ワームは未練がましくボートのそばまで引いてもバスが追ってくることは少ない。反対にスピナーベイトやシャッドプラグなどのハードルアーはリトリーブ(巻く)する間を少し長くする。

 これらのルアーはバスにアピールして食わせることになるから、バスを追ってこさせて食わせる時間が必要となる。ワームやグラブで立ち木を攻めるには、立ち木より奥にキャストしてロッドを立てて立ち木のそばにルアーを寄せ、ラインスラック(糸フケ)で立ち木に沿ってフォーリングする(落とし込む)。足りない分はラインを送り込む。スピナーベイトで同じことをしても効果がある。この場合は、居食いになるので手に伝わるような強烈なアタリでなく、ラインが止まったり、ラインに変化が現れたりしてアタリが出るのでおかしいなと思ったら合わせてみることだ。減水時には次の釣行を考えていざ釣行して、減水だったからといって嘆くことばかりでもない。

 普段は魚探でしか分からない底の様子が減水することによって見えるのだから、こんな好機はないのである。写真に撮って、山立てをしておくと次回満水になったときに非常に役立つ資料となるからだ。干上がったところに昆虫類が卵を産みつけ水が増えたときにバスが喜んでそれを漁るので、満水直後に釣行できれば願ったり叶ったりとなること請け合いである。