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月刊つりのとも[97/6] 晩春のリザーバー攻略 プリスポーニング以前、山上の水中は未だ冬 プリスポーニングというのはスポーニング(産卵)直前のバスの状態を指す言葉だ。どの魚種でもそうだが、産卵前には体力をつけるために荒食いする。この産卵前の脂の乗った魚が旨く、よく「旬の魚」と呼んだりするが、バスにはあまり関係がない。 今となっては年中楽しめるバスだが、このプリスポーニングに照準を合わせて釣行するバサーが多いのもまた事実。時期的には早春。しかし、これも水温に相当左右され、琵琶湖を例にとってみても、南湖の早いところでは3月の初旬から中旬頃にもうスポーニングを意識したバスが出始めるのに対して、北湖では7月の初め頃まで抱卵している個体までいる。 そんなわけで4月6日、平地ではプリスポーン真っ最中のこの時期の山上湖の生野銀山湖は未だスポーニングを意識しているバスは数少ない。そんなリザーバー(人造湖・ダム湖)をステージにしたNBC(日本バスクラブ)北兵庫チャプター第1戦での横山朋毅ウエスタンプロのジョンボート(平底のアルミボート)に同乗させてもらった。 朝マヅメはサスペンドミノーで横山プロのタックルを見てみるとスピニングロッドが5本。各々に3〜4ポンド(0.8〜1号)のフロロカーボンラインが巻いてある。一本はヤマメカラーのサスペンドミノー(小魚の形をしたプラスチックルアー、水中停止タイプ)がセットされており、他にはジグヘッドリグ(チモトにオモリが付いたワーム用の鈎にワームをつけた仕掛)やダウンショットリグ(ワームの胴突仕掛)などがセットされている。黒川のバックウォーター(ダム湖に川が流れ込んでいるところを指す)周辺に着いた横山プロはミノーで食わせている他の選手を見て、サスペンドミノーを最初に選んだ。 ミノーのアクション(動き)はトウィッチング(竿先で小刻みにルアーを動かす)、岸近くに船をステイ(泊める)させ、岸と平行にキャストする。こうすることによって、幅広くポイントを探れる。リザーバーのバスは一般的に岸近くで頭を岸に向けていることが多いからだ。トウィッチングはリアクションバイト(反射食い)を狙った釣り方なので、できるだけバスにアピールする方がヒットの確率が上がる。 また、この時期の山上湖は水温が低いので活性も上がらない。3〜4回トウィッチ(小刻みに動かすこと)したら2秒ほどポーズ(ルアーを止める)させる。この瞬間にバイト(食いつくこと)するのがバスの特徴で、トウィッチ中に食ってくるのはニジマスなどの鱒類が多いそうだ。ポーズをとると鱒類はその瞬間にルアーから逃げるらしい。ジグヘッドリグへ1時間ほどミノーのキャストを繰り返していた横山プロだが、反応がないのを見て取りジグヘッドに切り替える。 ![]() 1/32オンス(約0.9g)のジグヘッドにパール系統のストレートワーム(真っ直ぐのワーム)をセットして岸ぎりぎり、または水中に没している岩盤などのストラクチャー(障害物)周りを丹念に攻める。ピッチングキャスト(手首のスナップを効かせて振り子の原理で投入する方法)で静かに着水させ、フォーリング(落ち込み)のアタリを集中してとる。落ち込みでアタリがなければストラクチャーや岸から外れるまでシェイク(小刻みに震わす)する。 これはどんどんポイントを撃っていく釣り方で1回のキャストでだらだらとワームを引かない。この釣法で午前10時過ぎに横山プロが初めてのヒット。3ポンドラインなので何度かドラグが滑ったものの慎重に20cm後半をランディング(取り込む)。フォーリングで食ってきたので、底に着くまでのラインの変化をコンセントレート(集中)して見る。バイト(アタリ)があればラインがスッと走る。ごく細いラインを使用しているのでスイープ(ほうきで掃くような)フッキング(合わせ)をしないと合わせ切れを起こすので要注意。電撃はずし横山プロが試合中にしばしばしていたので紹介しよう。電撃はずしとは今江プロが近頃言い出した根掛かりの外し方。根掛かりしたらその場でシェイクを繰り返す。そうすることによって近くにいたバスが興味を示して寄ってくる。そしてこの「電撃はずし」の出番だが、要領は図を参照していただこう。それまで一定の動きをしていたワームが急に「ピン」と跳ね上がるように外れてバスが思わず口を使ってくる。リアクションバイトの一つだが、これが結構効を奏するそうだ。 意識的に根掛かりをさせてこの釣り方をするトッププロも多い。ストラクチャーにバスが居付くのはセオリー。「バスがいる=ストラクチャーがある」「ストラクチャーがある=根掛かり」よって「バスがいる=根掛かり」A=B、B=C、よってA=Cみたいだが、根掛かりがあるところにバスあり、ということだ。生野銀山湖の今後水温の上昇に伴い、生野銀山湖のバス達も産卵行動をとるようになる。バスは浅場に寄ってきて産卵するが、プリスポーンと呼び習わされる初期はブレイクライン(かけ上がり)に沿って浅場と深場を行き来するようになる。この時が絶好の狙い目。ポイントとしてはバックウォーターや馬の背などのシャロー(浅場)とディープ(深場)が入り交じっているようなところ。いざ、産卵行動に入ってしまうとバスは神経質になり、口を使わなくなってしまう。ただ外敵から卵を守るため攻撃的になっているが、この時に釣ってしまうのも少しかわいそうな気もする。 だからぼくは個人的にこれらのバスを釣らないようにしようと心掛けているが、それは読者諸氏の判断に任せたいと思う。抱卵バスは肛門を見るとすぐに見分けがつく。赤っぽく肛門が膨らんでいれば抱卵中だ。また体型もお腹がパンパンに膨らんでいるので分かりやすい。いずれにせよリザーバーに遅い春がきて、やっとバス本番を迎えるのがこの号がでる頃だ。 ■生野銀山湖のバス…かつて60.5cmという日本記録を記録した湖としてあまりにも有名な生野銀山のバス。アベレージサイズは30cm中盤だが、先頃行われた日本のトッププロ30人による大会では60cm級をバラしたという情報もあり、往年の名湖と呼ぶにはまだまだ早い。 ■ロッド:6ft前後のウルトラライトのファーストテーパーロッド。軽いリグを違和感なくキャストでき、ノリの良いロッド。 ■リール:#2000番台の中型スピニングリール。左巻きで使用し、ロッド操作を右手で行う。 ■ライン:3〜4Lbのフロロカーボンラインを使用。細い方が底を取りやすい。またラインが水を切る音をバスが嫌う、というのが横山プロの持論なので可能な限り細いライン。 ■ジグヘッド:1/32Ozのラウンドヘッド。フォーリングのバイトを取るので落ちるスピードがなるべく遅い、軽い方が有利。 ■ワーム:ストレートワームがシェイキングには一番。カーリテールやクラッピーだと泳がせないと充分なアクションを引き出せない。 ![]() ■電撃はずし:まず根掛かりしたら「しまった!」と思わずに「しめた!」と思うべし。そしてそのままシェイクを繰り返す。シェイク中に外れたら電撃はずしをすることもないが、外れなかったら、フックが食い込まない程度にラインにテンションをかけ、ロッドを前に突き出し、突き出したと同時に上に突き上げる(この間は一瞬)すると外れることが多く、同時にバイトがある。これはあくまでワームを使った場合。 |
