月刊つりのとも[97/10]


官能的なパワーゲームの世界へようこそ
青物ジギング


青物釣りの魅力はなんといってもその単刀直入さだ。前アタリだの食い渋りなどといった細かいことは一切なく、突然にガツンとヒットし、その後は有無を言わさぬパワーゲーム。ガイドを吹き飛ばしそうな締め込みに悲鳴を上げるライン。そのパワーに全身全霊をもって抗うアングラー。掛けたはずの魚にまるで手玉に取られたかのように必死の形相でロッドを立て、リールを巻く。魚の方は口にかかった異物に猛然と腹を立て、一気に走り出す。自らの筋肉のすべてを使い、暴力的なまでのパワーとスピードを生み出す。長々とした前置きになってしまったが、青物のジギングといえばこういったイメージが常につきまとう。
 ヒラマサ狙いのジギング、舞鶴から出港して、冠島周辺、経ヶ岬沖を攻めたのであるが、結果は不発。まさしく回遊魚と名付けられた青物だけに、その気まぐれに振り回された形となった。

スパイラルジャーク

タックルは専用のジギングロッドに大型ベイトリール(両軸受けなら石鯛リールなどでも良い)をセットし、3〜4号のPEラインを巻く。これに、30ポンドクラス(約8号)のフロロカーボンリーダーを2mほど直結する。日本海の青物は、黒潮が接岸する南紀方面とは違い小〜中型が多いのでこのクラスのラインで充分対応できる。
 今回のパーティーが好んで使用したメタルジグがP&Nピンクの「PJ」というジグ。これの90gをメインに使用されていた。
 このジグでスパイラルジャークを行う。スパイラルジャークとはイメージとして はジグが螺旋を描きながら浮上する感じである。このスパイラルジャークに適しているのが先ほどのPJ。ジグも種類によってアクションや泳ぎ方がそれぞれ異なるので、船ベリなどで試してから使うとよい。

 さて実際のスパイラルジャークの仕方だが、基本的にはジグを完全に底まで沈め る。そして竿の角度にして約40度くらいのシャクリを連続して入れる。シャクリを入れながら糸も巻く。とにかく忙しい釣りだ。こうすることによってジグはその形状のために螺旋を描くことになる。上層まで巻いてきたら再度底まで沈めて、繰り返す。ヒットパターンは今回はつかめなかったが、青物はその習性から常に動くものに興味を示すようだ。アジやイワシが集団からはぐれ、傷ついているような演出をすることを心掛ける。
 また常に魚探を見せてもらいベイトフィッシュ(エサの小魚)の動向やタナを確認するのも釣果に近づく手段。魚影が表層に追い上げられているように映ったら何らかの青物が捕食のために小魚を下から追い上げていると考えられる。こうしたときにタナを合わせるとヒット率が高くなる。

最近はルアーで釣り上げた魚はキャッチアンドリリースというのが通例となって いるようだが、青物に関してはむやみにリリースするのは避けていただきたい。全 力を尽くして走り回った青物は海に返した瞬間は泳ぐが大半が力尽きて死ぬか鮫などの餌食になる運命である。傲慢な言い方だが供養のためにも食べてやりたいもの だ。

青物三兄弟
ブリ・ヒラマサ・カンパチ すべてスズキ目、アジ科、ブリ属。いずれも典型的なフィッシュイーターでアジ、 サバ、イワシなどを好んで捕食するが、イカやエビなども好物。3種のうちカンパチが一番大きくなり2m、80kgに達する。またカンパチがもっとも高水温を好みブリはオホーツクの沿岸まで回遊する。見分け方はカンパチはブリやヒラマサに対して体高があり若魚のころは頭に漢数字の八の線があるが、成長するとなくなる。ヒラマサとブリは上唇の端が、ヒラマサの方が丸みを帯びており、ブリが角張っている。旬はヒラマサ、カンパチが夏から秋、ブリが寒の時期になる。いずれも高級魚で美味しい。