月刊つりのとも[97/11]


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フォールターンオーバー


 バスフィッシングシーンで一番楽しめる時期は夏の終わりから晩秋にかけてであろう。数釣りはもちろん、狙って大型を釣るのは難しくなるが、数を釣るうちに大型も混じるという釣りになる。ではなぜバス釣りに適しているのか?

 夏場の高水温下というのはバスにとっても非常に過ごしにくい時期である。真夏の日中、バスは活発に動いて餌を捕食するということが少ない。だから朝夕の比較的水温の低い時間帯が狙い目となってくる。この時期になると水温もバスの適水温である20〜25度となり、一日を通してバスが活発になるのである。

 次にエサとなるベイトフィッシュの動きである。特に琵琶湖ではこの時期、落ちアユ狙ってバスが活性化する。
 さらに冬に向かう時期なので、冬ごもりの準備をしなくてはならない。長い冬を乗り切るだけの体力をつけておく必要が出てくる。

 もう一つ、これはバスにとって最も重要なことであるが、冬が終わって早春にバスの一大イベント「スポーニング(産卵)」が待っている。これに向けた体力作りもしているものと考えられる。

琵琶湖矢橋帰帆島

 難しいことを長々と書いてきたが、このシーズンはよくバスが釣れるのだ。そして結構いい思いをしてきたのでそのご報告。
 ロケーションは琵琶湖矢橋帰帆島水路。時は9月10日、午後4時から2時間の釣り。暦の上では立派に秋なのであるが、まだまだ水温も高く、夕方になってやっとバスが活発に動き出したようだ。
 湖面に小波一つない状態。ウィード(水草)が水面近くまで生えており、水深は深くても1m。

タックル

 ぼくはこの場で、迷わずラインの先に昔拾ったバズベイトを結んだ。スカートは拾ったときには腐っていたので、フラホッパーに付いていた黄色のもので代用してある。重さは3/8オンス。
 ロッドは若干スローテーパー(胴調子)気味の硬いベイトロッド。とにかくウィードが多いのでバスにウィードに絡まれないように、強引に引き出せるパワーがあるものがよい。

 リールは左巻きのベイトリール。これはキャスト後すぐにリトリーブ(巻き取り)できるという利点がある。左利きの人は右巻きのものを。
 ラインもウィードに絡まれたときに抜けるように、最低でもナイロンの12ポンド(3号)。できれば14〜16ポンド(3.5〜4号)はほしいところ。

釣り方

 ヒシ藻やストラクチャー(障害物、杭や沈船など)にタイト(際ぎりぎり)にキャストし、即座にリトリーブ開始。少しでも沈めると藻ダルマになってしまうので釣りにならなくなる。

 リトリーブスピードは水面をトレースできる最低の速度で。ピンポイントにキャストが決まればリトリーブするまでもなく、着水と同時にバスが水面を割って出てくる。またヒットするときは際から1mも巻かないうちに飛び出してくるので、何もないオープンウォーターをしつこく引き回すのはあまり意味がない。狙った場所の半径3mも巻けばすぐにピックアップ(引き上げる)して次のキャストに移る方が手返しも勝負も早い。

バズベイトの有効性

 結局この時はバズベイトオンリーで通したが、ノイジー(音の出る)系トップ
ウォータープラグ(水面を引く用のプラスチックルアー)でも充分釣れたと思うが数は絶対にバズベイトに劣っただろう。

 なぜか。プラグだとトレブルフックのついている以上どうしてもウィードがフックに絡む確率が高くなる。また正確にリリーパッド(浮葉性植物、ヒシ藻やスイレンなど)の際にキャストしたつもりでもオーバーしてベジテーション(植物)の上に乗ってしまうこともある。こうしたときにバズベイトだと比較的フックに絡むことが少ない。こういった絡みやすさが手返しを遅らせ、キャスト数も減らすことになるからだ。逆にバズベイトだとリリーパッドの上でも攻めることができるという利点もある。

 ではソフトルアー(ワーム)のノーシンカーリグ(オモリを打たないワーム仕掛)はどうかというと、もちろん藻絡みも少ないのでもっと釣れたかもしれない。だが釣れたバスのほとんどは30cmオーバーだったし、何より水面を「シャワシャワ」と泳ぐバズベイトにバスが飛び出す釣りの方が、小さなワームを水面で「ピロピロ」泳がせる釣りより面白いじゃないか。
 また、バズベイトの方がグラビンバズ(グラブというワームをオモリをつけずに水面で泳がす釣り方)の方がアピール力は強いので、活性の高いときはバズベイトに分があるように思う。活性の低いときはグラビングの方が有効。
 この日は45cmオーバーをセルフリリース(いわゆるバラシ)した他、42cmを頭に40cmオーバー2本、35cmオーバー7〜8本という釣果。

フォールターンオーバー

 この言葉を聞き慣れない人も多いかと思うが、晩秋にバサーを悩ます自然現象の一つである。
 どういった現象かというと、一言で言えば湖の底の水と表層の水が入れ替わる現象である。
 その仕組みと、なぜバサーを悩ますかを説明しよう。
 水は温度が下がるほど比重が増してきて、4度の時に比重が1となり一番重くなる。であるから表層に近いほど水温は高く、底にいくほど低くなるのである。これが通常の状態。
 しかし、この通常の状態が崩れるときがある。それが「フォールターンオーバー」と呼ばれる現象である。夜間に寒冷前線の通過や、冷たい雨が降ることにより急激に表層の水温が下がり、底の水よりも低くなることがある。水温の低い方が比重が重くなるのは前述の通りなので、表層水と底水が入れ替わるのである。これがターンオーバー。

 ではなぜこれがバサーを悩ますか?
 底の水は冷たくまた、ヘドロや動植物の死骸が堆積しており、酸素量も少なく、魚にとっては住みにくい環境と言える。この水がバス達の生活圏である表層(晩秋にはバスは主に水深5mまで)に対流現象により上ってくるのでバスを始め生物達の活性が極端に落ちるのである。

 このターンオーバーをどうして見極めるか?
 これは通い慣れたフィールドでしか分からないことが多い。一般的には湖水がどんよりと濁っていて底の腐敗物が巻き上げられるので異臭が発生し、生物の活気が見受けられないとき、ということである。しかし、初めての湖では普段どれだけ濁っているのかということは分からないし異臭にしても同じことだ。まあ、地元の人にターンオーバーが発生しているかどうか聞くのが一番確実だ。また魚探で発生を知るという手もあるが、これを説明し出すと長くなるので次の機会に、ということで割愛させていただく。

 フォールターンオーバーが発生すると活性が低くなり、釣りにくくなるのは事実だが、案ずるなかれ。この現象は水深が10m以上ないと起きないし、また水深がある湖でも全湖に渡って一斉に発生するものでもない。少しでもきれいな水を探して釣るとよいだろう。

■琵琶湖バス…過去に何度か紹介しているが、再々度。この時期に狙って大型を釣るのは難しい。というのも大バスの目の前にルアーが到達するまでに小バスに邪魔されてしまうことが多いからだ。いわゆるエサトリとの格闘か? けれども小さいバスを数釣るうちに大型も混じる。またポイントを知り尽くしている人はピンポイントで大バスのポイントを狙って釣る。
■ロッド:6〜6.6ftほどのスローテーパーにかかり気味のロッド。またウィードに潜られても強引に抜き上げるだけのバットパワーを持ったもの。
■リール:中型ベイトリール。右利きの人は左巻きを使用することを勧める。ルアーが滞空中にロッドを持ち変えられるならいいのだが、着水と同時にリーリングを開始するため。
■ライン:ナイロンモノフィラメントの12ポンド使用。本当は14〜16ポンドはほしいところ。ファーストムービングのルアーを使う場合はナイロンの方がいいように感じる。
■ルアー:3/8オンスのバズベイト(拾い物)ダブルブレードの物でメーカーは不明。スカートはフラホッパーに付いていた物で代用、黄色。スローリトリーブなので、できるだけ軽めの方が良い。