Web版つりのとも

PLUGGING GAME
佐野一典「プラッギングゲーム」



第1回
ミノープラグ



 皆様、はじめまして。この度ハードルアー全般の使い方のレクチャーをさせていただくことになりました。一年間、隔月6回に分けて、ハードルアーの使い方や、それにまつわる面白い話などをしていこうと思っています。
 バスフィッシングを始められる方も、今までやってこられた方もおられるでしょう。そこでバス、ルアーフィッシングにおける魅力『何でこんな物で魚が釣れるの?』とか『こんなんで釣れたぜ!』という気持ちをいつまでも皆さんに忘れて欲しくない、ということを念頭に書かせていただきます。

ミノープラグの分類

 本来『ミノー』という言葉には『小魚』という意味があります。「小魚のようなルアーをミノーと言う」と言ってしまうと、おそらくルアーの9割方がミノーになってしまう。昨今、ミノープラグと言われているルアーを説明すると『小魚の様な細い形をしていて、引くとくねくね泳ぐプラグ』とでも定義づけられるだろう。
 こんなミノープラグも水に浸けた状態によって3つに分類される。
・ フローティングミノー(水に浮くタイプ)
・ サスペンドミノー(水中に漂うタイプ)
・ シンキングミノー(水底まで沈むタイプ)

フローティングミノー

 本場アメリカではミノープラグをほとんどの場合『ジャークベイト』や『スティックベイト』と呼ぶ。なぜアメリカ人が『ジャークベイト』と呼ぶのか。実はその言葉にバスフィッシングにおける、ミノープラグのもっとも効果的な使い方が隠されているのである。

『ジャーク』とは「ルアーをロッドで動かすこと」である。その強弱・長短によって魚をおびき寄せて食わせるのだ。
 もちろんミノーはただリールを巻いてきてもくねくねといかにも小魚らしく泳ぐ。
そしてただ巻くだけでもバスは釣れる。しかしロッドでアクションを付けて釣る方が楽しいし、時としてタダ巻くのに比べて格段に釣れるアクションをここでは紹介させていただく。

 先にジャークというアクションについて少し触れたが、そのときのロッドを動かすスピードとストローク(幅)によって、ショートジャークと言われたりロングジャークと言われたりする。
 ショートジャークの代表例としてトウィッチングを挙げてみよう。
『トウィッチ』とはルアーをロッドで『チョンチョン』と5〜30cm素早く動かしその分のラインを巻くことの繰り返しでおきるアクションである。後でも述べるがスロー・ロングジャークの例として1〜3月の低水温時に爆発的な威力を見せることのある『サスペンドミノーのポンプリトリーブ』は、ロングストローク(30cm以上)のゆっくりとした移動を伴ったジャークアクションである。(図1)
 フローティングミノーの基本的な使い方であるトウィッチングはキャストしてロッドを下へ向け、ロッドの先で自分の足の甲をたたくようにあおり、ルアーが手前にきた分だけラインを巻き取る。

『チョン』と一回あおってはリールを巻く『チョンチョン』と2回連続あおってリールを巻くなどのスタイルがあるが、初めての方は速さやタイミングに自信がもてないと思う。そこで、電車に乗ったときの『ガタン、ガタン』というリズムを参考にしてジャークしてみてはどうだろうか。勿論その日の条件によって変わるが4〜10月ならこのスピードでほぼ間違いない。バスがルアーの後をついてくるのが見えるがヒットしない場合はスピードを上げる。しばらくやってヒットもついてくることもなければ、他の方法、釣場に変える。

 私がホームグランドとしている東播地域の野池や琵琶湖などではシーズン中これで釣れないということはまずない。これらにマッチしたルアーとして、ボーマー社ロングA、スミスウィック社ラトリンログなどがある。サイズは9cmあたりから始めてはどうだろうか。
 魚のアタリはロッドをあおった時に『グン』と重みが伝わる、向こうアワセが多い。水深1m前後のポイントを勧める。

 他のフローティングミノーの面白い使い方として『トップウォーターミノーイング』がある。バルサ材などで出来た高浮力のミノーを水面で『チョンチョン』と動かしてやればよい。イメージとしてはプラグのリップ(潜行板)で水面を持ち上げるように、ロッドを目線ぐらいに立てて、ロッドの先を10cm位『チョンチョン』とあおってやる。高浮力のルアーでジャークの間隔を長く取ることにより、ルアーを潜らせないのがポイント。これは梅雨〜9月の盛期に大変面白いが、琵琶湖のプロトーナメントで産卵前の45〜50cmのバスを狙うのに用いるトッププロもいる。これにはラパラ社F11、バグリー社バングオー、スピナーテイルバングオーが良い。アタリは、水面が『バーン!』と爆発するので誰でも分かる。他のトップウォータープラグよりもフッキング(鈎掛かり)がよいので、水面が爆発したらアワセればよい。(図2)

サスペンドミノー

 最近よく用いられているルアーの一つがこのサスペンドミノーである。特徴としてはルアーの比重が水とほぼ1:1となっていることから、水に浸けたときに『浮くでもなく、沈むでもない』という状態が作り出せるのだ。要するに『水中で止められる』ことを最大長所とするルアーだ。

 フローティング、シンキングといったプラグではゆっくり操作しても浮いたり、沈んだりしてしまう。しかしサスペンドミノーなら狙った層やポイントを、ストップも含めた、非常にゆっくりとしたスピードで狙えるのである。他のプラグでは出来ない『水中でのストップモーション』をフル活用して通常食わないようなバスがいとも簡単に釣れてしまうのがこのサスペンドミノーの醍醐味である。

 基本的な使い方として厳冬期〜春先に多用する『ポンプリトリーブ』そして通常のトウィッチングである。いずれもサスペンドミノー最大の特徴である『水中でのストップモーション』を随所に取り入れた攻めが、このルアーを使い切るコツである。
 ポンプリトリーブの基本操作はキャスト後ロッドを自分の正面・下向きに構えた状態でラインを張る。ここからリールを巻かずにロッドを水平方向に90度ほど移動させる。この状態からロッドを正面に戻しつつルアーを動かさないようにラインを巻く。このときはルアーは完全に水中で停止している。そしてまたロッドでルアーを動かす…の繰り返しである。

 サスペンドミノーのポンプリトリーブは、一年間でバスをもっとも釣りにくい厳冬期によく使う。一釣行でのアタリが少ないので,その日に正解のアクションを見つけようとせず,一冬(ワンシーズン)かけてモノにするつもりで取り組めばよいだろう。

 ポンプリトリーブに向いているサスペンドミノーは、遠浅の野池(1m前後)であればシャローランナー(短いリップの浅く潜るタイプ)がよい。具体的にはダイワT.D.ミノー(1061SP)バスデイ社シュガーミノー7cmなど。反対に急深なダム湖や琵琶湖などをボートで3m付近を攻めるのならディープランナー(長いリップで深く潜るタイプ)を用いる。実例としてはダイワT.D.ミノー(1102SP)や、スポーツザウルス社ディープレックスSP。
 アタリはルアーをストップさせたときにラインが横にゆっくりと動いたり『ピン!』と跳ねたりする。手元に伝わることのないアタリが多いので、常に水面のラインに注意する。アタリが出たらゆっくり大きく合わせる。
 ルアーが泳いでいる時にアタリが多く出るようなら、その層をリーリングだけでゆっくりと引けるルアーに交換した方がよいことも多い。例えばラパラ社ファットラップなどのクランクベイトなど。

 次にトウィッチングであるが、これはフローティングミノーと同じ要領でよい。同じ銘柄のミノーならフローティングよりサスペンドの方が重いのでよく飛び、やや深いところを安定してトウィッチできる。琵琶湖などの広いウィード(水草)エリアではサスペンドの方が有利なことが多い。逆にリーズ(アシなど)際の水深50cm位のシャロー(浅場)を釣るならフローティングが潜らないので良い。
 サスペンドミノーのトウィッチングには、ラパラ社ハスキージャーク、ボーマー社ロングAサスペンド・ケビンバンダムモデルあたりが琵琶湖では良かった。

シンキングミノー

 最近シンキングミノー(沈むミノー)をバスフィッシングで使う釣人は極めて少ないように感じるが、季節を問わず爆発的な釣果を生み出してくれることもあるので念のため紹介させていただく。

 使用方法はいたって簡単、キャストしてまずカウントダウン(ルアーを沈めること)希望の水深まで沈ませたらリールを巻くだけである。『それではバイブレーションプラグと同じじゃないか!』と思われる方もいるだろうが正にその通り。バイブレーションプラグよりもシンキングミノーの方がスリムでゆっくり動かしてもアクションしやすい。12〜3月までの釣りにくい時期にバイブレーションよりよく釣れることがある。

 アタリは手元までダイレクトに『ガツン』ときたり『グーッ』と重くなったりと分かりやすい。実例としてはラパラ社CD−3〜7・カラーはGFR(赤金)を、およそ1秒でハンドル一回転ぐらいのリーリングスピードで使えばよい。特に小さ
いミノーは,盛期の野池ではワンキャスト・ワンヒットの入れ食いも多いが、あまり小バスばかり釣らないように…。

 以上簡単にミノープラグの使い方を説明させていただきましたが誌面ではお伝えしにくいこともあります。分かりにくい点がございましたら何でもお答えしますのでお気軽にお問い合わせください。次回(7月号)はトップウォータープラグについて紹介させていただきます。乞うご期待。