Web版つりのとも

PLUGGING GAME
佐野一典「プラッギングゲーム」



第3回
リリーパッドゲーム



 本誌が出る頃には夏真っ盛りでバスも相当夏バテ、皆さんもきっと『暑い、釣れない』とお嘆きのことでしょう。
 平野部にある野池の多くは水面がスイレンやヒシモなどの頑丈な植物に覆われ、とてもルアーが投げられないと思われる方も多いでしょう。しかしこんな時ほど普段ルアーを喰わないランカーを狙うにはもってこいなのです。今回は野池の緑の絨毯「リリーパッド」の攻略法を紹介します。

リリーパッドとは…

リリーパッド(lilypad)とは、スイレン・ヒシモなど、葉が水面に浮く植物の総称。これらはいわゆる浮き草ではなく、必ず底に根を張り茎を持つ。強い日差しが水面の葉に遮られて水中は陰となり水中の茎に身を隠すこともできるのでバスには格好の住処となる。
 リリーパッドを攻略するには、ここでのバスの生態を知ることで格段に釣果は上がる。
 まずベイト(エサ)であるが、ここでバスが最も好きなベイトは何であろうか考えてみよう。

 ミノー(小魚)シュリンプ(エビ)クローフィッシュ(ザリガニ)といった普段バスが好むベイトも多いが、述べた通り水中はリリーパッドの茎がジャングルのように林立している。バスがベイトを待ち伏るにはうってつけだが、このジャングルはベイトの逃げ場所ともなる。このことからリリーパッドのバスはあまり水中のベイトを狙わないようだ。むしろ葉の上を跳ねるフロッグ(カエル)や葉に住む水生昆虫やヤゴを狙い常に水面の葉を向いていると考えられる。

ポイント

 一面緑一色のリリーパッドも、いざ攻めるとなるとやはり細かなポイントセレクトが重要である。先のリリーパッドでのバスの生態から、ポイントは自ずと絞られる。

まずは水深について。

 バスはミノーなど逃げ足の早いベイトを狙うときは、物陰に隠れていないとうまく捕食できない。姿を見られたら、ミノーは近寄らないからだ。しかし葉の上にいるベイトはバスの姿が見えないだろうし、仮に見えてもオイソレとは逃げられないのでバスは身を隠す必要がないため、葉の直下にいることが多いようである。つまりリリーパッドを攻める時はルアーを沈める必要が殆どない。

続いて平面的なポイントの見方について。

 実際リリーパッドで釣りをしているとハスの葉の上にあるルアーを葉を破って食い付いてきたり、ヒシモの上で全く水に浸かっていないルアーを喰いにくるバスも多い。このようにバイト(食い付き)してくるバスはかからずルアーをはじき飛ばすことが多い。これも結構面白いが確実にフックアップ(鈎掛かり)させるなら、やはりルアーが水に浸かっている状態で喰わせることである。

 池一面のリリーパッドでも必ず水面が見えるところがある。バスはこのような隙間をベイトが通過したり落ちてくるのを待っている。それは直径3mほどの穴であったり、また5〜10cmのほんの隙間であったりする。その僅かな水面=ポイントを見逃さず確実に攻めることが、釣果を伸ばす秘訣である。

実 践

 私が主にリリーパッドで使用するルアーはスピナーベイト、バズベイト、ワームフロッグである。
 スピナーベイト、バズベイトはリリーパッドが成長中で全体的に密度が低い場合や、最盛期でも明確な隙間・穴がある場合に使う。
 全体的に密度が低い場合はロングキャストして広く探る。ルアーを沈ませると葉に絡んでしまうので、着水と同時にリーリングに移る。1秒にハンドル2回転程度のリーリングスピードでロッドを立てて水面〜水面直下(20cm以内)を意識して使う。ルアーローテーション(使い分け)はスピナーベイトをまず使い釣りきってバイトが遠のいた、もしくは、最初からバイトがない場合にはバズベイトにローテーションすることで釣果が上がるケースが多い。

 私の経験上、バズベイトの方がアピールが高くバスの平均サイズは大きくなる。葉が吹き寄せられる程度に風が強く、水面が波立っている時がグッドタイミングで普段出てこない45cmオーバーが釣れる確率が高い。
 使用するのは、がまかつ社スピナーベイト(1/2オンス・ダブルウィロー)やフィネス社バズベイト、スポーツザウルス社スピナベイドン、同社ファイブオーベイドンのダブルウィロー各サイズが造りも頑丈でバランスも良く使いやすい。高速で巻いてもバランスが崩れないので気に入っている。

 最盛期のリリーパッドでも明確な隙間や穴など、ルアーを引けるスペースがあればスピナーベイト、バズベイトを多用する。
 スペースが岸から離れる程バスは多く大型化する。トップウォータープラグも面白いが、葉に鈎が掛かるトラブルが多いので、シングルフックのスピナーベイト・バズベイトの方が良い。

 直径1m以上の大きなスペースは、人目につきやすくスレているケースも多いが、小さなスペースを丁寧に釣っていけば多くのバスを手に出来る。スペース向こう側の葉の上にキャストして、スペースまで葉の上をルアーを引きずってスペースに入れ、水面でルアーを泳がせる。ルアーの引ける距離が大変短いので、わずかな距離でいかに確実にルアーをアクションさせバイトさせるかが、直接釣果に影響してくる。ノーシンカーでもよいが、サイズは落ちるようだ。

ワーム

 本連載のテーマとは少し外れるが、どうしても紹介したいので編集部には目をつぶってもらおう。
 リリーパッドでのワーミングに使用するリグは私の場合、
・ ノーシンカーリグ(オモリなし)
・ ショートリーダースプリットショットリグ
 おおよそこの2種類が主である。両リグの使用方法は一緒で、葉の上にキャストし、ルアーが落ちたら、ロッドを前方45度位の角度に立てて1秒で1回転程度でリトリーブするだけでよい。ただし葉の上でルアーを喰わせるのではなく葉と葉の僅かな隙間でヒットさせることを心掛ける。その隙間が見えても、見えなくてもキャストしてルアーが着葉(着水)した地点から足下までにあるわずかな水面にルアーを通してくるのである。

 ノーシンカーならその隙間ではほとんど沈まず、小さいシンカーが付いていれば瞬間的にほんの少し沈む。例えば密度の高い場合少しの隙間でもよりバスにアピールさせるため、スプリットショットシンカーをワームから2cmほど離してつけたり密度の低いヒシモならノーシンカーでなるべく沈ませない、という風に使い分ける。

 これから始められる方にはノーシンカーの方が絡みにくいのでお勧め。ヒットすると水面(葉面)が『モコッ』『バーン』と盛り上がったり、手元に『コツッ』とくるので、そこでリーリングを止め手元に『グン、グン』と動きが伝わったら、ロッドが折れずラインが切れない程度に強くゆっくり合わせる。タイミングが早すぎるとフッキングせず、遅いと飲み込まれてしまう。

 ノーシンカーもしくは非常に軽いシンカーを使用するのでワーム自体の重量があるものが使いやすい。例えばプロダクトワーム社トーナメントワーム6インチ、ディットー社ゲーターテール6インチ、マルキユー社エコギア・バクダングラブ6インチが丈夫でよい。

 太めのワームを使用することとリリーパッドから強引にバスを引きずり出すこともあるので、フックは3/O程度の頑丈なオフセットフックがよい。私はがまかつ社ワーム311、314の3/Oを使用する。

フロッグ

 その名の通りカエルの形をしたルアーである。ワームと全く同じ使用方法が最も効果的。
 ワームもフロッグも、葉を盛り上げながらバスがついてくる場面を見ても、ルアーを止めないことがコツである。止めるとUターンしてしまうので、同じスピードもしくは少し速くすると喰いが良いようだ。
 フロッグはリリーパッド専用に設計されており、葉に絡みにくい構造になっている。その分フッキングも悪く、食い付いても鈎掛かりするのははっきり言って稀である。だから私はほとんど使わないが、使うならコーモラン社『かえるくん』が動き、掛かりともに良い。

使用タックル例

 ハス以外は一般的に言われているようなヘビータックルは必要ない。ハスでは茎に巻かれると、どんな強いタックルでも歯が立たないので掛かったバスのことも考えて私は狙わないようにしている。次に紹介するタックルは、主にヒシモ等の柔らかいリリーパッドを対象にしたものである。

スピナーベイト・バズベイト
ロッド:ラグゼ563、ラグゼカマー666
ライン:スポーツザウルス・ベイト14〜16lb
ルアー:がまかつスピナーベイト(ダブルウィロー)、フィネス社バズベイト、
スポーツザウルス・スピナベイドン、同バズベイドン、同ファイブオーベイドン
カラー:ブレイドはゴールド、スカートはホワイト・イエロー系
ワーム・フロッグ
ロッド:ラグゼカマー676
ライン:スポーツザウルス・ベイト14〜16lb
ルアー:プロダクト・トーナメントワーム6インチ、ディットー・ゲーターテール
エコギア・バクダングラブ、コーモラン・かえるくん
カラー:ブラック、ジューンバグ、カメレオンレッド等の黒・紫系
フック:がまかつワーム311、314−3/O、4/O
シンカー使用時:ガン玉2B〜5Bをワームから2cm程度離す

ランディング(取り込み)

 首尾良くフックアップしたら、リリーパッドの有無を考えずに普通にやりとりする。そしてついにバスの動きが止まった(=葉に止められた)らロッドを前に寝かせてラインと一直線にして手前に引く(根掛かりを切るときの動作)これでほとんどは葉から離れて寄ってくるかリリーパッドが切れてバスと一緒に寄ってくる。
『これ以上引っ張ったらラインが切れる』と思ったらラインを緩めバスが泳ぎ出すのを待ってからやり直す。

 以上真夏の野池の攻略法、いかがでしたでしょうか。次回は私の最も得意なスピナーベイトテクニックについて、かなりオイシイお話も交えてご紹介いたします。(スポーツザウルス フィールドアドバイザー)