Web版つりのとも

PLUGGING GAME
佐野一典「プラッギングゲーム」



第4回
スピナーベイト



 バスフィシングが最も楽しくなる秋を迎え、皆様どうお過ごしでしょうか。どの池や湖でもハードルアーだけで十分な釣果を得られるこの季節、今回は私のバスフィッシングの中核をなす『スピナーベイト』をご紹介します。

スピナーベイト
フィッシャーマン

 アメリカのバスプロの中には、スピナーベイトフィッシャーマンなるプロが存在する。その名の如くほとんどスピナーベイトしか使わないプロであるが、アメリカのは非常に広大なフィールドが多くスピナーベイトがその広いエリアを速く確実に探れるルアーであることを如実に表現している言葉である。

 他のルアーに比べ、非常に速いリーリングでの使用が可能で、その構造から根掛かり等のトラブルが少ない割には掛かりが良いので釣りがスムーズになり、あらゆる場所・状況でも速く無理なく釣っていける。私も自・他称スピナーベイトフィッシャーマンで、ここ5年くらいはプライベート・プロトーナメントを問わず、8割方のバスはこのルアーでキャッチしている。

 昨年秋のJBプロ最終戦・河口湖では19位の好成績を収めたが、この時は、全てのバスをスピナーベイトでキャッチした。500名のプロがひしめき合う中、約半分がワームで2日間ノーフィッシュだったにもかかわらず、スピナーベイトは2日間で13匹のキーパーバスと賞金を私に与えてくれた。

スピナーベイトの使い方

前記の様にメリットの多いスピナーベイトではあるが、使い方や使うタイミングによって、人ごとの釣果に大きな差が出るのもこのルアーの特徴である。
 スピナーベイトは元来シャローウォーター(浅い所)で使用するルアーであり、私自身も水深2m位までのポイントで使用することがほとんどである。

 バスの目前を通過させるのではなく、上を通過させて飛びつかせるイメージで使う。ブレード(金属板)の振動によりルアー全体が強い振動を発するため、バスに対して非常にアピールが高い反面、バスに向かっていくように引くと警戒して喰わない、もしくは逃げてしまう。常にルアーがバスから逃げるように引くことが大切で、イコール水面付近のみを引くことになる。

 少しでも長く水面付近を引きたいので、着水後はなるべく早くルアーを泳がせ始めることが大事である。ルアーが水面下を泳ぐのを目で確認出来るようにロッドを前方45度くらいの角度に立てながらリールを巻き、水面付近の一定の層(水面下5〜30cm)を泳ぐように引いてくる。基本的な使い方はそれだけ。

使える時・場所

 どんなルアーでもそうだが、特にこのルアーは限られた条件で効果を発揮する。
それには『シェード(陰)』もしくは『風波』のいずれか一つが必要である。この二つの条件のどちらかが満たされなければ、私はスピナーベイトを使うことはない。
 最もこのルアーが効果を発揮するシチュエーションは、風が当たり水面が波立っている岸際で、緩やかにカケアガリになっていればなおのこと良い。野池に多く見られる傾斜した護岸(堰堤)もこれに含まれる。角の立った波頭が水を噛み泡立っているようであればまさにスピナーベイトの独壇場であるといえよう。

 このような場所をボートから攻める場合、岸に近付きすぎると風に押され座礁する危険性があるので、十分距離をとってロングキャストで広く探る。毎キャスト岸際30cm以内に着水する様に心掛けるとバイト数は格段に増える。普段バスの姿が見えない砂浜のような場所でも、風があれば驚くほど浅場にバスが入ってくる。

 岸から攻める場合は、水深20cm〜1m程度と思われる範囲の水面を引く。つまり遠浅ならばポイントは広がり、急深ならば狭くなる。岸と直角にリトリーブするよりも、岸と平行方向にリトリーブした方が有効水域を長く探れる。また、これは陸っぱりにしかできないことだが、スピナーベイトは風に向かってキャストし順風方向に泳がせた方が良く喰ってくるように思える。

 シャローに葦や冠水植物、リップラップ(石積み)がある場合は非常に有望なポイントとなるが、風波がある時はそれらから離れた場所でも釣れるので、あまり気にせずにテンポよく広くキャストしたい。ワームフィッシングと違いバスのいるポイントを直撃して釣るのではなく、バスがエサを捕る所(=岸際の水面)にルアーを通すように心掛けることが、最大のコツだ。

 もう一つ、特に夏〜秋にこのルアーが効果を上げるポイントがある。それはダム湖などによく見られるオーバーハング(岸から覆い被さるように生えた木の陰)や桟橋・ボートなどで出来た陰部分である。この場合水深はあまり関係なく、陰の差す水面付近にバスがいることが多いので、やはり水面直下を引けばよい。

 ただこの釣りは風がない場合に強いられる釣り方となる。キャストの精度はもとより、着水からの速やかなリーリングへの移行、また遠くからルアーを狭いポイントに静かに着水させる技術が要求されるので、やや上級者向けの釣り方と言える。

 これからスピナーベイトを始められる方は、風波のあたる岸際の水面でゆっくりルアーを泳がせることが、ヒットへの近道となるだろう。風がない場合は他のルアーを使用した方が無難。
 アドバイスとしては『常にルアーを目で追いながら使うこと』

バイト

 水面を走るスピナーベイトを目で追っていると、バスはルアーの進行方向から押さえ込むように喰ってくる。
*参考までに、バスは餌を捕る時ほぼ2種類の喰い方がある。
1. 押さえ込み(餌の進行を妨げるように抑え込む)
2. 吸い込み(餌の側面から水ごと吸い込む)

 1はスピナーベイトなど泳いでいる餌を捕る時、2はワーム・ラバージグなどが止まっている餌を捕る時に起こす行動である。
 フッキングは、バスがルアーを押さえ込むと同時に手元に感触が伝わるので、このアタリを感じたら立てていたロッドで自分の顔をシバく様に垂直に立てつつリールを巻く手を速くする程度でよい。最近のスピナーベイトはこれだけで十分フッキングするのであまり大アワセは要らない。

 先にも述べた様に、スピナーベイトを進行方向から巻き込んで喰ってくるので、結び目にバスの歯があたることが多い。バスが大きくなる程結び目の損傷が激しくなる。強すぎるフッキングは合わせ切れを誘発する。バスをキャッチした後は、必ずこまめに結び目をチェックするべき。これは、トーナメントに限らず、普段から一匹釣る毎に結び変える習慣をつけておくと良い。

タックル

 以下に私の使用しているタックルを記したので、参考にされたい。
《1/2OZクラス》(琵琶湖・加古川など餌が大型である釣場)
ロッド:がまかつ・ラグゼ563、ラグゼカマー562
リール:ダイワ・TD−1Hi
ライン:スポーツザウルス・ベイト14〜20Lb
ルアー:がまかつ社・スピナーベイト、エバーグリーン社・デルタフォース、フィネス社スピナーベイト(各1/2OZモデル)
《1/4OZクラス》(野池・ダム湖など餌が小型である釣場)
ロッド:がまかつ・ラグゼ553、ラグゼカマー552
リール:ダイワ・TD−1Hi
ライン:スポーツザウルス・ベイト10〜16Lb
ルアー:同上(各1/4OZモデル)
 スピナーベイトのブレード(回転板)パターンは、上記銘柄のルアーであれば設計も素晴らしく何でも良いが、私はリーリング時の抵抗軽減のため、全てシングルウィローもしくはダブルウィローを選んでいる。初心者であれば抵抗感があり浮き上がりも速い『タンデムウィロー』の使用を薦める。
 カラーはルアーの存在が確認しやすいものが良く、私はブレードがゴールド
(金色)、スカートがチャートリュース(明るい黄緑色)を好んで使用する。

 以上、私なりにスピナーベイトの最も基本的かつ効果的な使い方を紹介させて頂きました。東播地方の野池・琵琶湖では例年11月中頃までは十分スピナーベイトだけで楽しめますので、ハードルアーの苦手な方は、是非この秋にスピナーベイトをマスターして下さい。
 次回はバスルアーの代名詞『クランクベイト』について、ご紹介させていただきます。
 (がまかつフィールドテスター/スポーツザウルスフィールドアドバイザー)