Web版つりのとも

PLUGGING GAME
佐野一典「プラッギングゲーム」



第5回
クランクベイト



  今回は前回のスピナーベイトと同じく『バス専用ルアー』として有名な、クランクベイトについて紹介してみましょう。

クランクベイトの特徴

 クランクベイトを簡単に形容すると『太った魚型のボディーにリップ(潜行板)が付いたプラグ』とでもなるだろうか。リーリングによって潜行板が水圧を受けて、プラグが尻を振るクランクアクションが生まれ、その太短いボディーとの相乗効果によって軽快に動き回るのだ。
 ボディーがスリムな小魚型であれば、クランクアクションは横方向からの水圧によって幾分抑えられ動きは小さくなる(例:ミノープラグ)。
 ボディーやリップの長さ・形状によって、星の数ほどあるクランクベイト毎の特徴や効果は生まれるのだ。

クランクベイトの種類

 クランクベイトを分類する決め手となるのはリップタイプ、リップとボディーとのバランス、の2点に尽きる。このリップの長さ・角度によってそのクランクベイトの特性が決定される。これはクランクベイトを購入する際にも大変重要なので、良く覚えておいて欲しい。

a)リップの長さについて
 リップが長ければリーリング時にリップが受ける水の量が増えるためより深い水深まで潜る。逆に短ければ、リップが受ける水が減るので、浅くしか潜らない(同じ距離を引いた時の比較)
b)リップの角度について
 リップ角が、ボディーに対して水平方向に伸びていればより深く潜る。逆に直角方向なら、浅い水深までしか潜らない。
 釣具店ではこれらのことを踏まえて、自分が今欲しいクランクベイトを見つけだそう。クランクベイトはごく一部を除いてほとんどフローティングタイプ(水に浮く種類)であるが、同じフローティングでも5m近く潜るタイプや、どうやっても20cm程度しか潜らない物もある。
 これらは全てリップの長さや角度・ボディーとのバランスによって生み出されるクランクベイトの特徴なのだ。
 その他には本場アメリカで『リップレスクランク』と言われる『バイブレーションプラグ』もあるが、これは次回に説明させていただく。

クランクベイトの使い分け

1. 岸釣りの場合
 あらゆる岸釣りの場合、使用できるクランクベイトの種類は非常に限られる。
 クランクベイトはリールを巻けば巻くほど深く潜ってしまう、要するに岸に最も近付いた時に、最も深く潜ってしまおうとする特性を持つからである。
 足下に岩や立木などがあれば、潜ったクランクベイトが底を掻いてしまうので、釣りの効率が悪くなったり、根掛かりしてルアーを失うことになる。岸釣りの場合はあまり潜らないタイプのクランクベイトを使用する羽目になる。
 野池は総じて遠浅で、水面付近でバスがバイトしてくることも多く、それほど深く潜らせる必要がない。こんな場合リップが小さくボディーに直角に近い角度で付いた物を選ぶ。更にボディーが太くバルサ材等ウッド(木)で出来ている物であれば、浮力も強く潜りにくいので最高である。

 ラパラ社ファットラップラパラ・シャローランナーの5〜9cm(SFR−5〜9)やバグリー社バルサBシリーズ、マンズ社のベビーワンマイナス(1−)等の、50cm位までの潜行能力の物が良い。これらはリップが小さいのでキャスト時の空気抵抗が少なく遠投もきく。野池や川の岸釣りに大変向いており、私自身もかなり良い思いをさせてもらっている。
 これからの時期(冬季)には、真夏にヒシモが一面に生える様な遠浅の池で、ラパラSFR−5・7を1秒に一回転程度のリーリングで使ってみたり、春はワンマイナスのチャートリュース(蛍光黄色)、秋はバルサBのクローフィッシュ(赤)が効く。店で見かけたら是非使っていただきたい。
 使い方は、なるべく潜らせない様にロッドを目線の高さに構える。なおかつゆっくりとリーリングすることで潜らなくなるため、根掛かりや水草に絡んだりのトラブルも減り、より多くのバスにアピール出来る。リーリングスピードは速くても1秒で2回転程度が良い。

ボートからの場合

 元来クランクベイトはボートからの使用を前提としている商品がほとんどなので、琵琶湖やダム湖等でボートから釣る場合は、ありとあらゆるものを使用できる。
 ボートからでも水深が野池の様に浅かったり、シャローを流していくスタイルでは、前述の野池のパターンと変わりないので、ここではボート特有のディープエリア(水深が深いポイント)での釣り方を紹介する。
 クランクベイトとは狙う水深に応じて使い分けるルアーなので、基本的にはそのポイントで引くことが出来るルアーを選んでいく。例えば水深5mのポイントでは、市販されているほとんどのクランクベイトが使える。小魚を追ってバスが水面付近でフィーディング(餌を食べている状態)していたら、50cmも潜らないクランクでも効果的だ。また同じポイントで、底付近でバスが喰ってくると判断された時は、5mまで潜るクランクの使用が正解となる訳だ。

 水深のあるポイントに広くバスが散っている時は、クランクベイトの長所をフルに生かした釣りが展開出来る。釣場の水深・バスが喰ってくると思われる水深を考え、潜行能力の違うクランクを使い分けることが、釣果を伸ばす秘訣である。
 特に最近は5mを越えるような深場はワームで攻める人が多い。然るにこの水深にいるバスはクランクベイトを見慣れていないため効果覿面で、ワームとは比べ物にならない程の数・サイズを短時間で叩き出せるパターンにはまることも多い。
 2〜3mといったミディアムレンジ(浅場と深場の間の水深)では、広く素早く釣っていく有効なパターンもある。水中のウィードや岩等、底の状態を加味して、最もスムーズな使用感、かつその日に効果的なクランクベイトをセレクトする。

 水中の変化はボート上からでは分かりにくいが、水底から中層まで生えたウィードの面や切れ目・水中に沈んだ岩・桟橋の杭・取水塔・橋脚など魚群探知機がなくても分かるポイントは多い。一本の橋脚を攻めるにしても泳層の異なるクランクを上から順に引くことでより多くのバスを捕れる。また広いウィードの面を引くにしてもウィードに絡めながら使ったり、ウィードから完全に離して使ったりすると、違った結果が出るところは、このルアーならではの感がある。
 ありとあらゆるクランクが使用できるため、一概にどのルアーが良いとは言えないが、使うルアーが一体何m位潜るのかを把握し、確実に使い分けられれば楽しいクランキングが出来る。

 お薦めの銘柄は、1m未満なら上記の岸釣り用のもの。1〜2mであれば、ラパラ社シャッドラップSR−5〜9の各色やボーマー社モデルAホットタイガーがリーリング抵抗が少ない割に確実なアクションで使いやすい。
 2〜3mならばビルノーマン社リトルNのリフレクト(反射板入り)カラーやティファ社ディープショットJr.が名品だ。3mを越えるような場合は相当な抵抗が掛かるので、ルアーにはかなり気を遣った方がよい。琵琶湖・河口湖ではスポーツザウルス社ガオクランク7cmのゴーストアユやゴーストクローフィッシュ、生野銀山湖ではティファ社ディープショットで爆発的な入れ食いを体験している。

使用タックル例

1.野池の岸釣りの場合
ロッド:がまかつ・ラグゼ553、ラグゼカマー552
リール:ギア比6:1程度のベイトキャスティングリール(私の場合はダイワ・TD−1Hi)
ライン:ザウルス・バスザウルスベイト12〜14ポンド(ナイロン)
ルアー:ラパラ・SFR−5・7(シャロータイプファットラップ)マンズ・ベビーワンマイナス、バグリー・バルサB等
2.ボートからの場合
a)ミディアムレンジ(1〜3m)
ロッド:ラグゼ563
リール:TD−1Hi
ライン:バスザウルスベイト14〜16ポンド
ルアー:ボーマー・モデルA、ラパラ・シャッドラップ、ビルノーマン・リトルN、ティファ・ディープショットJr.、ザウルス・ガオクランク5cm等
b)ディープレンジ(3〜5m)
ロッド:ラグゼ573、ラグゼカマー574
リール:TD−1Hi
ライン:バスザウルスベイト14〜20ポンド
ルアー:ザウルス・ガオクランク7cm、クランクカウルスLL、ティファ・ディープショット

 一般にクランクベイトの場合、低弾性の長いロッドが良いと言われるが、私の場合フックをすべてがまかつ・トレブル13に交換しているので、硬く短いロッドでも全く支障なくフッキング出来る。購入時に付いているフックをそのまま使用するなら、がまかつ・ラグゼカマー578Mなどの、低弾性の長いロッドが向くが、あまり現代的とは言えずお薦めできない。

 以上、簡単にクランクベイトでの釣りを紹介させていただいた。このルアーを体得するには、とにかく『使い続ける』のが大事。使い込むことでこのルアーでしか釣れない様なバスに遭遇した時、また楽しいバスフィッシングが貴方を待っている。次回最終回は、最近すっかり定番となったバスルアー、バイブレーションプラグについて紹介させていただきます。乞うご期待。
(スポーツザウルスフィールドアドバイザー)

■左二つはディープダイバータイプ、上、ザウルス・GAOクランク7cm、下、ティファ・ディープショット。中央二つはミディアムダイバータイプ、上、ラパラ・シャッドラップ8cm(SD−8)、下、ビルノーマン・リトルN。右はシャローランナータイプ、上、ラパラ・ファットラップ5cm(SFR−5)、下、マンズ・ワンマイナス(1−)