Web版つりのとも

森と川と釣人と
養殖アユの味と水虫の話

佐藤哲男

 この春、養殖アユを食べてみました。その養殖アユは4月半ばだというのにもう22cm級にも育っていたのです。
 友釣りに心得がある者が解禁前の養殖アユを試食するという不埒さは私ぐらいか も知れませんが、実は私も生まれて始めてのことでした。 それにしても今の養殖アユの姿形の立派なこと。化粧塩で焼き上がった美形に惚 れぼれします。こういうのをまのあたりにすると昨今の川のアユ(放流アユ)はな んとブスの多いことか。ここまで商品価値を高めるには、生産業者のそれなりの努 力があったにちがいありません。
 養殖アユといえば昨年の秋、アユのDNA(デオキシリボ核酸)の研究がすすんで、早期にかなり大きくすることができるというニュースが報道されていました。
 最近のバイオテクノロジーの研究には目を見張るものがありますが、魚の養殖技 術も然り。今の養殖アユは、形・色つや・香・追い星までが天然アユそっくりに作りだせるそうです。
 残すところは味。今ではかなり改善されたとはいえ、さすがにはらわた(腸)ま では天然というわけにはいかないようです。
 さて、ここまでは養殖アユを食べる前のお話…。
 さっそく食べてみました。
 見た眼では白身で脂がのり、いかにも美味しそうだったのですが、やっぱりパサ パサ、まるで味がなく私の口にはとうてい合いませんでした。
 せっかくお金をだして買ったのですから我慢して半分ぐらい食べたところで、腹 をひろげて観察?します。
 アレ? 3分の1ほどの卵が入っていました。いくら養殖技術が進んだとはいえ、 4月にもう抱卵しているとは驚きです。
 行きつけの魚屋の話では確か今年のもの、というふれこみでしたが、どうも疑わしい。しかし、もし本当のことだとするとこの抱卵アユを実際の川へ放流するとどうなるだろう。
 ところで、養殖アユの盛期は3〜5月、現在の養殖技術をもってすればアユの大 きさには不足はありませんが、問題は川の水温。3月の川は無理としても水温の高 い中・下流域なら4月解禁が可能かも知れません。
 そうなると、早期成魚放流の解禁と従来解禁という次第で、1シーズン2解禁と いう夢のような友釣りが楽しめることになるやも?
 いずれにしても、人工の手が加わるほどにアユの習性も変わってきました。荒瀬 や、石裏、砂地の中の大石回り、ヘチなどと、従来の初期ポイントのセオリーが崩れだしたのも、昨今の成魚放流の影響でしょうか。

アユ解禁と水虫

 へんな話題ですみません。
 毎年水虫に悩まされる私は、待望のアユ解禁は、イヤな水虫の解禁でもあるので す。
 少々の痛さは我慢できますが痒みだけは我慢できません。いったん掻きだしたら もう止まりません。
 コイツ(水虫菌)は住み付いたら、なかなか出ていってくれないのです。世間を 騒がしているOー157や抗生物質の効かない菌と同様、市販の特効薬?もなかな か効きません。
 蛇の道は蛇、いろいろな方から、いろいろの治療方法を聞きました。
 中国の水虫の薬(中国で手塚治虫のはなしをしたら水虫の薬か出されたらしい)も試しました。酢をお湯で薄め足を浸けると良い。熱い砂浜を歩け。果てはガスバーナーの火を近づけて焼き殺せなど、恐ろしい治療法まで教わりました。
 昨年の春、東洋医学の専門医が、「水虫は、4〜5月頃に治療しなさい」と、本 の中で書いていました。水虫は夏にひどくなってからでは手遅れだというのです。
 この本を先生にして昨年5月頃から治療に専念したところ、完治まては至りませんがかなり軽症ですみました。その実践した治療法を水虫でお悩みの諸兄にご披露 しておきます。
@長時間にわたり、靴やウェダー、胴付長靴を履く前は、必ず足を洗う。
A成分の異なる水虫薬を2種用意し、少しでも症状が出たら患部に塗布します。ただし塗り過ぎないこと。痒みが止まらないといって一日に何回も塗布すると薬に負け余計に痒さが増して逆効果になる。
B当然のことながら、靴下は毎回替える。
C水虫の治療は友釣り同様、根気と辛抱。
D余談ながらアユタイツからくる痒みにはタイツを履く前に、白色ワセリンを塗布すると効果的です。
今年の友釣りは
 気温も20度前後となり、そろそろ天然遡上、放流アユのニュースも各河川から聞かれるようになりました。
 私も5月の連休を利用して、日高川、有田川のハエ釣り方々アユの様子を見て回る予定です。
 昨年はすっかり騙されました。
 5月12日に有田川の神戸の下で見えた良型のアユは、解禁日には大方不在でした。一方、アユの見えなかった日高川のダム下流域の解禁日は大漁。
 有田川の場合はたぶん解禁のために放水され、その高水にのって一気に遡上したものと思われます。その証拠に上流の川口周辺では20cm以上の良型が入れ掛かりだったとか。
 日高川の場合は、下見以降に成魚放流したのでしょうか。
 いずれにせよ解禁前日の確実な情報を得ることが何よりですが…。
今年は消費税アップとともに入川料・オトリ代値上げ確実の河川が少なくありません。何もかもアップです。私もアップアップしないよう財布も引き締め手持ちのアユビデオを観ながら解禁日を心待ちにしているこの頃です。
(近鉄釣交会・大阪市在住)