'96ダイワグレマスターズ全国大会決勝



三連笑。
山本八郎選手、またしてもV。

長崎県五島列島

取材=12月2〜3日
文・写真=編集部/武富純一

 12月2〜3日、長崎・五島列島で開催された'96ダイワグレマスターズは、昨年、一昨年と二連覇した山本八郎選手がまたしても優勝、見事な三連覇を決めた……と、こうしてコトバに書いてしまえば簡単だが、実際、これだけの大会で3回連続して優勝するなんて並大抵のことではない。こうなったら4連覇でも5連覇でも、どこまでいくのか当分勝ち続けてもらいたいような気にもなってしまう。なお、準優勝は九州代表の若手・藤園選手がベテラン山元選手を相手に大健闘した。


全国から強豪16名が集う

 グレマスターズ全国決勝大会は、全国10ヶ所での予選大会を勝ち残った選手と、昨年度全国決勝大会での上位入賞者4名、そしてダイワ推薦選手の計16名で全国チャンピオンの座を競うもので、今年で4回目。
 初日の予選は4名が4つのブロックに別れ、1時間交代で4ヶ所の磯を回り、計4時間の釣りで闘った。グレの規定サイズは25p。
 この予選では山元選手以外のシード選手が、なんとすべて敗退。昨年の覇者といえど、勝ち続けるということはとても難しいことなのだ。

 また、ブロック大会から勝ち上がりの東選手(滋賀)は、数は結構釣れるのだが、どれも規定より数ミリ足らずばかり。そばで見ていて「これは25pある!」と計ってみたら、わずか数ミリ足らずにリリースというのが何回もあり、見ていてとても悔しい思いをさせられた。
 準決勝に残ったのは三宅(岡山)、内野(九州)、山元(徳島)、藤園(九州)の4選手。準決勝は山元−三宅、内野−藤園の組み合わせでおこなわれた。
 結果、14尾と相手に7尾差をつけ、良型チヌ2匹のオマケ付きで難なく勝った山元選手と、4尾を上げ3尾差で内野選手を敗った藤園選手が勝ち残った。

●準決勝、7尾差で三宅選手を敗った山元選手。闘い終わって……。
●これはええチヌでした。もちろん得点にはなりませんけど。
●Aブロックで健闘した東選手。規定に数ミリ足らずばかりが釣れて残念だった。

余裕の試合運び、山元選手

 翌朝の決勝戦、山元−藤園選手戦は下五島・久賀島のゲンギョの平瀬という磯で行われた。試合時間は3時間。1時間半で場所交代する。
 試合開始早々、山元選手は側の記者たちに「もし勝敗つかなかったら、トシ取ってる方が勝ちということではあきませんか?」と記者たちに軽いジョーク。それを聞いたある記者は「そりゃ、若い方を勝ちにしないとみんな納得しませんよ!」と笑う。
 山元選手の一匹目はハマチ、その後ウマヅラが掛かる。しばらくして場所を裏側に移動し、ここで1匹目のグレ。だが。これはわずか1mmほど足らずリリース。「審判に1000円札見せたら通ったかもわからんな」とまたジョーク。

 その後、2匹を釣り、前半戦は2:0で山元選手がリードした。
 さて、後半は開始早々から山元選手の独り舞台。立て続けに5匹ほどグレを調子よく釣った。一方の藤園選手は残り30分でようやく最初のキープ。
 その後、山元選手は前園選手の手つかずだった磯際を狙ってさらに何匹も良型グレを追加。イズスミが多く掛かり、これとわかれば竿か曲がったままでわざとハリをはずすテクニックも何度か見せてくれた。終盤には釣れたグレを手に記者たちに向かって撮影サービスも。

 結局、山元選手は12匹4.79kgのグレ、前園選手は3尾0.88kgで、山元選手が余裕の試合運びで'96グレマスターズを制して3連覇を成し遂げた。
 山元選手はグレ釣り歴28年の48歳。試合後のインタビューでは「沖にはウマヅラ、手前にはアカジャコ、グレが見えないので場所を裏の磯へ移動したら、それが見事に当たった」という。釣れない時のポイント移動、仕掛変更の見切りの早さ……決められた時間内にいかに早くヒットパターンを見つけだすかをじっくり見せてもらった3時間だった。また「潮の流れを変えるのではなく、自分の流れを変える」「コマセを撒きながら、魚が出てくるのをいつも信じている」という言葉が印象的だった。

 準優勝の藤園選手は第1回目の本大会出場以来、2年のブランクを経て出場の29歳。グレ釣り歴は4年。シード権獲得で来年の活躍が楽しみな選手だ。
 グレマスターズも今年でもう4回目。当初、全国6会場600名の参加が、今回は全国10会場1300名もの大きな大会に育っている。はたして来年はこの中から山本選手の4連覇を制する選手が登場するのだろうか。

●釣況問い合わせ
あじか磯釣センター
TEL.0950・57・0883

●二人のロッドケース。汚れ具合の差がどこか象徴的だった。
●終盤には釣れたグレを手に余裕の記者サービスも。
●準優勝の藤園選手。ポイントを変え、仕掛を変え、山元選手に何とか追いつこうと健闘したのだが……。
●闘い終わって、緊張の解けた表情の二人。


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