'96第10回全日本大学釣り選手権大会



「なんで釣りクラブなの?」女性選手に質問したら……。
優勝は大阪学院大学
鳥取県米子市

取材=10月13日
文・写真=編集部/武富純一

「いま時、女子学生なら楽しい遊びは他にいっぱいあるのに、どうして釣りクラブに入ったの?」
 競技の最中や競技データの整理時間中、見つけた女子選手に片っ端からこう訊いてみた。

 全国の大学の釣りクラブが集まり、投げ、磯、ルアー、キャスティングの4種に別れて技を競い交流する全日本大学釣り選手権大会。全61大学249選手のうち女性は29名。今の時代、若い女性たちにはファッション、旅行、スポーツなど楽しい遊びがいっぱいあり、学内にもそんなサークルやクラブが花盛りなのに、どうして彼女たちは“釣り”を選んだのかとても興味があったのである。

 一番多かった答えは「小さい時、オトーサンに連れられて釣りをして、その楽しさを知った」というもの。釣りの原体験が、何かの拍子に顔を出したというわけで、これは男性にも多いパターン。幼い頃、大人に連れられて川や海へ出かけた記憶を持ってる人は多いことだろう。

 また、これとは逆でちょっと驚いたのは「入部するまでは釣りは全くしたことがなかった」という人が意外に多かったこと。友達に入部を誘われ、釣りに行ったら魚が釣れたので夢中になってしまったというケースが多いようだ。本大会のような“釣りへのきっかけ”をもっと多く作ることができたら女性釣師はまだまだ増えるかもしれない。

 別の選手には「自然が相手で暑いし寒いし、早起きしたら眠たいし、しんどい趣味やと思うけどなぁ…」とカマをかけてみると「だって魚が掛かった時のあのアタリの感触が何ともいえないじゃないですかぁ!」と笑顔で答えてくれた。男性と同じ脳ミソ構造の女性も結構いるんですね。さらに彼女は「釣りってカッコイイですよ〜。潮がぶつかる雄大な磯でたった一人で竿持って立ってるシーンなんて、もう最高にカッコイイです」とも。「そうかなぁ、磯釣りなんてオキアミ臭いし、釣場もゴッツイ危ないとこやで」と返すと「いえ、絶対カッコイイです!」。彼女、確か東京大学のゼッケン付けてたけど、昨今の釣りブームからくるスマートなイメージの影響なんだろうか?
 男性釣師の方々、どう思われます?

 さて、肝心の競技結果の方は投げ、磯、ルアー、キャスティング4種目の総合成績で大阪学院大学が優勝した。同校の釣部は9回目の出場で初のV。投げ釣りでトップポイントを稼いだ尾崎選手の健闘が目立った。尾崎選手は「この大会に参加して優勝するのが入学した頃からの夢だったのでもう最高」と大喜び。またルアー・フライに出た菅田朋子選手は「入部するまで釣りは全くしたことがなかった」という前述のパターン。この優勝でさらに釣り熱に拍車がかかることだろう。

 ともあれ、こうして若い世代の釣人と接するのは、彼らよりもう一回りも年をとってしまったオジサン釣師(?)としてはとっても楽しいことなのである。

団体
1位 大阪学院大学
2位 京都大学
3位 桃山学院大学
4位 大阪府立大学
5位 明星大学
6位 九州産業大学
7位 東京水産大学
8位 東京大学
9位 神戸学院大学
10位 鳥取大学
個人成績 投げ釣り
1位 尾崎宗司(大院大)
2位 掛川昌幸(広島修道大)
3位 望月憲二(東海大・東京)
4位 岩本雄治(鳥取大学)
5位 川島 功(明星大)
磯釣り
1位 池亀吾郎(愛媛大)
2位 末広正明(明星)
3位 甲斐博士(宮崎大)
4位 本松謙治(東京大)
5位 藤井孝男(九産大)
ルアー・フライ
1位 宇佐見健(京大)
2位 曽我部隆司(同志社)
3位 南 俊哉(九産大)
4位 角 祐介(桃山)
5位 内田裕輔(大院大)
キャスティング
1位 中西一太郎(大阪府大)
2位 佐藤新一(東海大・清水)
3位 國重 衛(近畿大)
4位 森口和明(九州芸術工科大)
5位 川口洋介(慶応大)


●初優勝した大阪学院大学チーム。右から尾崎、坂口、内田、菅田、中野の各選手。


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