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連載エッセイから
メバルの船釣り/明石海峡編

柳 篤郎

 私の住んでいる兵庫県明石市は急潮で名高い明石海峡に面した海の町です。
 最近では、完成すれば世界一長い吊り橋になるという「明石海峡大橋」の町として有名です。
ほんとうは、明石海峡大橋は、明石市を通っておらず、神戸市西区の舞子と淡路島の岩屋をつないでいるのですが…。
 それはさておき、この辺りの釣りといえば、この明石海峡大橋を眺めながら釣ることになり、日の出時などは素晴らしいものです。

◇エサの変化を追って、メバルの船釣りを楽しむ

この明石海峡近辺では、1年中で4ヵ月ほどはメバル釣りが中心になります。
 初冬から始まり、5月のゴールデンウィーク前後までが釣期となり、かなりポピュラーな釣りになっています。
 その中でも特徴的なことは、釣期が長いこともあって、エサが変化していくということです。
 まずメバル釣りが始まったばかりの12〜2月中旬までは、活きシラサエビを使います。
 2月中旬からは活きたイカナゴです。この季節のイカナゴは新子と呼ばれ、明石の名物「イカナゴのくぎ煮」になるのです。
 この新子が出回り始めるとメバルもイカナゴを主食にするので、シラサエビのエサでは喰いが悪くなります。
 いわゆる、メバルの「エサ変わり」の季節なのです。

 イカナゴが漁解禁される前の2月下旬末〜3月上旬までは、まだエサとしてのイカナゴの新子が少ないので、イカナゴによく似たシロウオを使います。
 この季節は地方によっては、メダカやシロウオ(ハゼ科)のエサをイカナゴの代用に使うところもあるようです。

 3月中旬以降はイカナゴ漁も最盛期となって、本格的にイカナゴをエサに使います。
 明石地方では昨年からイカナゴ漁も資源枯渇を避けるために4月末で禁漁となりました。このイカナゴ漁の終末とともに、明石海峡周辺のメバルの船釣りも竿納めとなります。

 この頃になるとイカナゴもワカサギほどの大きさになり、呼び名も新子からフルセに変わり、テンプラなどにするとたいへん美味しくいただけます。

◇エサの刺し方は

 シラサエビはハリスのヨレを防ぐため、尾バネを切って刺しますが、エビが跳ね上がったときにハリに刺さって丸くなるのをさけるためにハリ先を背中に抜くようにするのがコツでしょう。
 イカナゴ、シロウオ、メダカなどの生きた小魚は、目刺しか下アゴから上アゴに向って鈎をを通すようにすればよいでしょう。

 シロウオやイカナゴは、つかみづらいので、人差し指と中指の間でタバコを持つようにつかめば、意外とすんなりつかめます。不器用な人は、医療用のピンセットを用意するのもよいでしょう。

◇船釣りのコツ

 アンカーを入れての、かかり釣りではなく、潮流にのせてポイントを流す「流し釣り」です。
 底根の荒いところを船を流しながら釣るので、根掛りをさせず、かつメバルがいるタナに添って仕掛を流すロッドワークが釣果を左右します。

 こまめに底を取り直しながら根の起伏を頭の中にインプットしましょう。何度か同じ底根を流すので、根掛りしそうなところや、メバルのアタリがあった底根を覚えればベストです。
 メバルのタナは時間、潮、日によって変化し、活性の高い時は、底根から5〜7mも浮くこともありますから、その時のタナに合わせて底から仕掛けを上げて釣るこことも大事なコツの一つです。
 同船者の釣ったメバルが何番目の鈎に掛かったのかを注意して見ておくと、メバルのタナがよく分かるものです。

 ただし、その人が仕掛を仕掛をを底から上げて釣っているのか、底スレスレで釣っているのか、よく見ておくことは言うまでもありません。

◇今シーズンの傾向

今年は小型が多いようです。例年なら平均20pのメバルが大半だったのですが、今年は15〜18pがよく釣れます。
 まだエサ変わりの季節で、しかも水温の低下が影響してか、喰いも悪いようです。
 これから、エサがシロウオからイカナゴに変わるにつれて、メバルの型も喰いも良くなっていくと思います。

 明石海峡のメバル釣りは、現在こんな釣況ですが、これからの春本番になると一気に花開くと思われる今日この頃です。(明石市在住)