ソルトウォーターゲームを始めよう
TAKE1 ライン&リール

矢野 貴雄

 隔月で6回にわたりこれから海のソルトルアーを始めようという方に向けて一から話を始めてみたいと思います。
 タックルの話から入るのですがこのルアー釣りというのはエサ釣りとタックルが根本的に変わってきます。「投げ竿でバス釣り」という訳にはいかないことを念頭においでください。

なぜ細いラインを使うんだろう?

 まず始めにラインについてですが、ハリスといった概念はありません。ルアーに近い部分にショックリーダーという太いラインを結ぶ、という逆転現象があるくらいです。メインライン(道糸)には細い糸を多用するのがルアー釣りなのです。
 細いラインを使う理由は簡単です。軽いルアーを遠くへ飛ばそうとすると太いラインでは空気抵抗が大きくなり飛距離が落ちます。もう一つの理由は、ルアー釣りは投げたルアーを引いてくる釣りです。ルアーが通る周辺に魚がいないと釣れません。しかし、太いラインを使っていると、このルアーの通り道にいる魚に警戒心を与えてしまうのです。

ショックリーダーの必要性 その1

図版 こういうと、ショックリーダーという太いラインを使っていたら同じように魚に警戒心を与えてしまうのではないか?とおっしゃる方もいるでしよう。良いところをついた意見ですが実は違う。どこが違うのでしょう。
 1回のキャストを30mとします。リーダー(太い糸の部分)を2m取った場合、差し引き28mの区間は細いラインが通過しますが、道糸部分も太いラインだと30mそのまま目立つラインが通過するわけです。仮に15m先に魚がいたとしましよう。メインライン(道糸)が細いと、30m地点から17m地点までは細いラインが通過します。差し引き13mの細いラインが魚の目の前を通ることになり、この間は魚の警戒心も薄く、ルアーの振動やアクションに関心を示し続けるのです。魚とルアーとの距離が2mになって初めて太いラインが魚の目の前を通り始めるのですが、この時点では魚の注意力はラインよりもすでにルアーの方に向いていると思われます。というのも、2mくらいの距離になると魚がはっきりとルアーを視認できると思われるからです。
 ところがライン自体が太いと、着水した時点から太いラインが魚のいる場所を通過します。細いラインと比べればルア一がはるか向こうにある時点から警戒されたり、逃げられたりするのです。

ショックリーダーの必要性 その2

 淡水ではショックリーダーというのはほとんど使わないのですが、ソルトの場合には必需である理由がもう一つあります。それは多くのソルトウォーターの対象魚は鋭い歯を持っていたりエラやヒレが鋭かったりするからなのです。
 皆さんもエサで太刀魚を釣られたことがあると思います。この時にワイヤーをハリの前につなぎますね。つまり、あの考え方そのものなのです。
 ですから食いの悪い場合などには、魚を取れる確率は下がりますが、リーダーもワイヤーもない方が良かったりするのです。

ショックリーダーの必要性 その3

 リーダーにはまだ理由があります。それは重いルアーを細いラインで遠くに飛ばす場合に必要なのです。
 さっきの軽いルアーを飛ばすために細いラインを使う、というのと矛盾するじゃないかと思われるでしょう。けれども出来るだけ細いラインを使いたいのは今までの説明通りです。
 魚が遠くで沸いている場合など細いラインで重いルアーをめいっぱい投げるとラインがハチ切れてしまいます。
 そこでショックリーダーが必要となるのです。投げ釣りの力糸と同じクッションの役目をしているのです。
 細い糸で確実に食わせ、確実に取り込むためには、リーダーを使い、細いラインで勝負することが重要なのです。
 最近釣場で、釣人に声をかけてみるとまだ一匹もシーバスを釣ったことがないという方が多いのです。その大半が4〜5号クラスのラインを使い7cmのミノーを結んでいたりするのです。
 これでは釣具店やテレビで釣れると聞いたルアーも、ラインが受ける水の抵抗で本来の泳ぎをしません。説明したような理由から、太いラインなので魚に警戒心を抱かせ、食いにくくなる訳です。
 普通に考えれば、大きなスズキを短いシーバスロットで釣るわけですから太いラインも当然なのです。しかしルアーというのはエサと違って、じっとしていても魚は反応しません。魅惑的に泳がせて魚をだますのですから太いラインは論外なのです。

高性能リールを

 次に、ラインと同じぐらい重要な要素にリールがあります。ソルトルアーの場合、リールは糸を巻くだけの機械では困ります。
 魚種によってはワンダッシュ数10mというのもいます。タチウオでもアワセの直後のダッシュは強烈ですよね。これを細いラインでかわすにはどうするか?
 シーバスも走りと突っ込みは相当強烈なものです。ラインは細ければ細いほど良い、でも、細ければ切られてしまう…頭が痛いところですよね。
 そこで必要になってくるのが高性能ドラグを登載したリールです。
 ドラグ性能の悪いリールだとラインの出始めがスムーズではありません。また、ラインが出始めても出方がぎこちなかったりすると、結局は切られてしまいます。タックルについては何でもそうですが、特にリールはケチらずに高性能のものを選ぶべきでしょう。

次回はロッドについて

ロッド選びについては、今回のスペースではちょっと無理なので次回にします。そこで皆さんなりに「じゃあ、どんなロッドを選べばいいんだ?」について考えておいてください。「高いのが良いに決まってる」なんて答はNGですよ。
 魚をだますのも、女性をだますのも、お金が掛かるし、スリムな方がいいし、良いサオ(魚の場合はロッド)を持っていないと駆け引きもできない上に、取り込むことも非常に困難になりますよ。キャストの前には後方確認!(尼崎市在住)